日本創生会議が「消滅可能性都市」リストを発表してから10年が経った。24年4月に「人口戦略会議」が、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」に基づき、人口から見た全国の地方自治体の「持続可能性」についての分析を行っている。今回は、「自然減対策」(出生率の向上)と「社会減対策」(人口流出の是正)の両面からの分析を行っている。
▼10年前の分析では、「20~39歳の女性人口」の将来動向に着目したものであったが、今回はこれに加えて、各自治体において人口移動がなく、出生と死亡だけの要因で人口が変化すると仮定した推計(封鎖人口)結果を活用して9つのマトリックスにあてはめ、それぞれに① 自立持続可能性自治体、② ブラックホール型自治体、③ 消滅可能性自治体、④ その他の自治体と名称している。それぞれが、① 65、② 25、③ 744、④ 895の自治体数であった。
▼詳細は、『令和6年・地方自治体「持続可能性」分析レポート』をご覧頂きたい。地域ブロック別に見ると、例えば「自立持続可能性自治体」だが、北海道 0、東北 1、関東 8、中部 12、近畿 7、中国・四国 3、九州・沖縄 34とあり、人口規模や地域によって人口特性の違いが浮き彫りとなっている。食品スーパー企業も、それぞれ位置する実情と課題に応じての施策が求められるであろう。
▼自立持続可能性自治体に、埼玉県では滑川町が入っていた。ヤオコー発祥の地に近い小さな自治体で、人口は1万9678人でしかなく見た目は、全国に多くある過疎の町のようだが、00年の1万2836人から50%以上増加、18歳未満の子どもがいる世帯は、20年時点で2155世帯と00年より6割超増えるなど若い世代の流入・定着に支えられているのだ。この自治体を走る東武鉄道の分譲と全国に先駆けて導入した子育て支援策だ。現在18歳までの医療費を無料化、町内の全ての小中学校、保育園、幼稚園の給食費を無償にした。「学童保育室」も13カ所整備している。町の財政力指数も22年度で0.84と全国平均の0.49の上をいく。住民の流入に伴っての税収の増加が、子育て支援の支出増をカバーする構図になっている。20年間の戦略から学ぶことは企業経営の面でも少なくない。
2024/05/31
