この時期には企業の新入社員教育にお邪魔することが多い。時間に余裕のある先輩社員も同席してくれる。食料品を取巻く環境の変化と食品スーパーの現状を話すことのリクエストが多い。小売業以外の企業でのこれらの機会では、言葉の意味とどの立場で話しているかの説明に手間取る。統一した概念がなく、意味が異なるケースが出てくる。今回も「業態」と「フォーマット」、開発商品の概念、マーチャンダイジングとは、等々どんな意味で使っているかの説明がいるのだ。業界の歴史が浅い為なのかマスコミでも混乱している。
▼例えば、「業種」「業態」、「フォーマット」の説明になる時、「業態 = フォーマット」として使用しているケースと、業態の中での特徴(ポジショニング)による形をフォーマットという場合があるので注意が必要になる。日本リテイリングセンターは、業態類型をフォーマットと呼んでいる。私どもは後者の使い方をすることが多い。「食品スーパー業態の中で、ディスカウントフォーマットを追求している」というようにだ。
▼さて、業態ごとの状況だが食品スーパーの一番の競争相手は「コンビニエンスストア(CVS)」だ。新型コロナが感染症法上の5類に移行し人流が回復したことで23年度の業績は、大手を中心に好決算が並んだ。ただ、「変化対応力」によって成長を遂げてきた業態だが、「成熟化現象」の中にあって、店舗網を生かした成長施策を始動し始めている。店舗商品の即時配送やリテールメディアなどの新規事業への取組みや、潜在ニーズ開拓のための新コンセプト店舗をオープンするなど、大きな動きを見せている。
▼ファミリーマートは、リテールメディア事業に本格的に乗り出している。独自の決済機能付きアプリ「ファミペイ」や金融事業の「ファミマデジタルワン」、広告配信・代理店事業の「データ・ワン」、デジタルサイネージ設置や広告メニュー拡充といったメディア開発事業の「ゲート・ワン」などを始動。デジタルサイネージ「Family Mart Vision」の設置店舗数も1万店規模に拡大させるなどし、この事業を本格展開する体制を整えた。リテールメディア事業だけで、純利益50億円の達成をめざしている。(続)
2024/06/03
