エックスアーバン(Exurban:準郊外)が新商圏に・・・

コーネル大学RMPジャパン12期の授業もいよいよ大詰めになって来た。6月の講義の休み時間を利用して、渡米に関する説明があった。コロナ禍の影響で3年間訪問できなかったコーネル大学キャンパスも久しぶりに訪れることが出来る。コロナ禍が時間を早めることになったが、米国の小売業は、統合チャネル化が進みだし、これまでの商品(品揃え・価格)+サービスでの戦いに、「買物体験の拡大」に「不便さや抵抗感の削減」が加わった業態進化が盛んになって来ている。

▼在米のリテールストラテジストである平山幸江氏が小売業の新商圏として期待されている「エックスアーバン(Exurban:準郊外)」に関する発言をしていた。この「エックスアーバン」の定義だが、人口5万人以下の中小規模の郊外都市で、人口の25%が50万人以上の大都市に所在する企業に勤務しているケースを指す。コロナ禍を経て出社と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークが定着し、自然豊かな環境でありながら、都心部への通勤も可能な距離にあるエックスアーバンが脚光を浴びているとある。

▼米国の調査会社によると、21年から1年間の推定人口移動は大都市で206万人減、サバーバン(郊外)が48.6万人増に対し、エックスアーバンは82.3万人増と最も多かったとある。この市場開発をリードするのが、ショッピングセンターの開発・運営を手掛けるフィリップス・エディソン&カンパニーという企業で、23年12月時点で米国内に218カ所のNeighborhood Shopping Center(NSC)を有し、多くのSCが頭を抱えるテナント入居率も、22年度には97.4%と高い。

▼同社のNSCの核店舗であるSMは「Sprouts Farmers Market」、「Publix」、「H-E-B」など有力リージョナルチェーに加え、「Trader Joe’s」や「ALDI」などが出店する。データサイエンスやAIの活用によって、より正確かつリアルタイムに購買行動を分析・予測できるようになったので、出店・撤退の判断もより精緻に行えるようになったという。新規市場を開拓するハードルも下がったと言える。米小売市場のセオリーは「出店は売上拡大策ではなく、新たなデータを収集する拠点でもある」との視点で、戦略的な出店を継続できる企業が成長を続けていくとなっている。

2024/06/15