積極的な出店が続いている米国小売業・・・

昨日は、Walmartについての動向だったが、米国小売市場は昨年に引き続き、大手小売企業を中心に積極的な出店が続いている。今年の出店計画を見ると、ディスカウンター、オフプライス、スーパーマーケット、ビューティ専門店がとくに意欲的だ。「Target」は、今後10年間で300店舗を新規出店し、2000店舗を改装する予定である。昨年開発した大型フォーマットも含まれるが、直近では大都市圏への小型店出店が目立っている。

▼出店の特徴として小型店の出店が、業態を超えてブームのようだ。ダラーストア最大手の「Dollar General」は年内に800店舗、「Aldi」は28年度末までに同じく800店舗の出店を予定している。Dollar Generalは、Walmartの影響が及ばない農村部の需要を取り込み、約1000店舗の閉鎖予定のDollar Treeのシェアを奪うためのようだ。Aldiは、インフレ下で高所得層を含めた客層拡大に成功していること、同じ業態での競合が少ないことから、一気に市場制圧を狙っているようだ。

▼百貨店の「Macy’s」は、ピーク時850店舗あったが、26年までに350店舗まで減少する予定で標準サイズの店舗は大幅に減らすが、小型フォーマットを30店舗出店する予定である。ビューティ専門チェーン「ブルーマーキュリー」の出店も拡大方針である。全体でもビューティ専門を始めとしたショップ・イン・ショップの出店は増加傾向にある。Macy’sは、倒産により全店から撤退した「トイザらス」を、「Kohl’s」も「ベビーザらス」を再び迎え入れている。トイザらスは、今年度、直営店24店舗を新規出店の予定である。

▼昨年経営破綻した「Bed Bath & Beyond」は、オンラインストアのみで営業継続しているが、閉店した商圏シェアはWalmartやTargetなどに奪われているようだ。適正な企業更生の手順が踏まれれば、トイザらスのような復活を遂げることも不可能ではないはずだ。コロナ前にブームとなり、一気に店舗を増やし話題となった「Allbirds」や「Glossier」のようなD2Cブランドは、防衛的に実店舗を閉鎖して、再出店の機会を狙っている。

2024/06/27