FC方式が、成長の鍵を握る可能性を・・・

コーネル大学RMPジャパン第12期の修了研修でニューヨーク州イサカ市を7月上旬から中旬にかけて訪問する。その為にここ数週間は、米国流通業のトレンドを記した。情報源は『Diamond Chain Store』誌を始めとした業界誌と鈴木敏仁氏、後藤文敏氏、平山幸江氏のブログなどにある。特にブログによる三氏のレポートは、話題企業の店舗での買物体験に基づくものであり、データ分析による解説と違った臨場感がある。本当にお世話になっている。

▼日本の小売業の状況もアニュアルレポートが揃う頃になった。小売業界で働くようになってから、気にして来たのが「日経MJ」紙が行っている「小売業調査」になる。その時々、働いていた企業のランキングが気になり、少しでもランクアップすることを楽しんだものだ。この発表は、例年7月の中旬以降になるのだが、この発表に先駆けて、上場企業の決算結果に基づく業界動向記事が掲載され始めている。これを見ると、食品スーパーでは、売上高1000億円以上のスーパーマーケット企業が34社となった。

▼ここでも、食品の値上げによる客単価の増加が業態全体の売上高増に寄与し30社が増収、28社が増益で、増収増益は26社ある。この1年間に2桁の増収を実現した企業がある。OICグループの21.3%増、神戸物産の13.5%増、そしてベルク13.2%、ハローズ12.3%、サンベルクス11.8%の増収をした5社だ。OICグループは、ロピア・ホールディングスが改名したもので、前年度も37%増と高い成長率を実現している。

▼OICグループは、沖縄にフランチャイズ方式で出店した。神戸物産も、業務スーパーの店名でフランチャイズ展開している。これからは、このフランチャイズ方式が成長の鍵を握る可能性がある。1店舗ずつ出店を重ねての成長よりも、企業買収を実現するよりも、コストは低く、成長スピードは上がるようだ。食品スーパーではないが、マクドナルドやセブン・イレブンの成功をみてもフランチャイズ・チエーンにはさまざまな利点があることは証明済みで、あまり問題点についての指摘は聞かないのだが、どうなのだろう。

2024/06/28