米国の大統領選には、テレビ討論会が催される。11月の大統領選に向けて民主党と共和党の大統領候補がテレビ中継で議論を直接交わすイベントで、投票先を決めていない無党派層の動向を左右するため注目度が高い。このテレビ討論会は1960年に始まった。その当時は9~10月の選挙戦終盤に開催されていた。期日前や郵便投票の定着を踏まえ、より早く判断材料を提供するために前倒しての開催だった。6月に開催するのは史上最も早いという。
▼20年の討論会も、バイデン、トランプ両氏であったが、相手への中傷や発言妨害が相次ぎ、米メディアからは「史上最悪」と称されたていた。今回の大統領選テレビ討論会も、同じ両氏で27日に開かれ、民主党のバイデン大統領が不明瞭な発言を繰り返し苦戦した。TVニュースで見ただけだが、高齢不安が一段と強まる可能性があると感じた。共和党のトランプ前大統領も持論を展開するだけで、大国の将来を見すえた議論は深まらなかった。
▼バイデン氏は声がかすれており精彩を欠いた。討論直後に発表した世論調査によると、トランプ氏が勝利したとの回答は67%、バイデン氏は33%だった。米大統領は世界最強の軍事力を持つ米軍の最高司令官で、戦争の遂行や核兵器を使う最終判断を下す立場にある。これまでも失言や記憶違いを繰り返してきたバイデン氏の認知力に改めて懸念が広がる可能性が高い。CNNなどは、「バイデン氏を候補にすべきだと唱えるのは難しい」と報じた。
▼双方が「史上最悪の大統領」と罵り合うなど、中傷合戦に終始しているのは残念だ。国際情勢が不安定な中で、大国のリーダー達がどう振る舞うかは大きな関心事である。特に米国のリーダーの振る舞いは大事になる。米国の力が落ち、影響力の低下は仕方ないことでもあるが、世界の安定に資する力強い言葉と処方箋が欲しいし、どう実現させるか説得力のある説明合戦を期待するのは無理なフレーズに世界は入ってしまったのだろうか。
2024/07/02
