厚生年金加入、企業規模要件撤廃・・・

これまで協会活動を推進する中で、パート従業員などの短時間労働者の厚生年金加入問題は、大きな事案であった。年収の壁問題などに直結する事案でもあった。この短時間労働者が厚生年金に加入する際の企業規模の要件を、厚生労働省は撤廃する方針を固めたようだ。現状では従業員101人以上の企業に限定して適応しているが、5人以上の個人事業所も全業種に厚生年金を適用する方向で、来年の通常国会に関連法案を提出するとある。

▼この制度、従業員101人以上の企業に勤めるパートやアルバイトらが「所定労働時間が週20時間以上」などの条件を満たすと厚生年金に入る義務が生まれている。これが10月には51人以上の企業にまで広がる。厚労省は、企業規模要件について「撤廃の方向で検討を進めるべきである」としており、新たに130万人程度が加入対象となる。具体的な改正案は社会保障審議会の年金部会で詰めるという。

▼今年は5年に1度の年金制度改正の年にあたる。勤務先の規模によって社会保険が適用されないのは中立ではないとの意見が多いようだ。ただ年金加入は、将来受け取る額が増えるなど働く人への保障が手厚くなる半面、保険料は労使折半のため、事業主の経済的・事務的負担は増す事になる。非正規労働者は対象外だった厚生年金制度も、00年代以降に非正規労働者が増えるに従い、これらの人たちにも老後の生活を保障する必要性が高まり現状がある。

▼5年に1度、社会保障審議会の年金部会の中で、公的年金の将来の給付水準を示す「財政検証」を実施している。今年は今日(7月3日)の予定だ。「パートさんがより多くの年金を受け取りつつ、人手不足下の労働力としてより多く働いてほしい」というのが願いになるのだろうが、非加入のまま働きたい労働者が多いことも事実だ。人手不足で就業調整の問題がある中、マルチワーカーやフリーランスの適用拡大について考えると簡単には行きそうもない。年金財政を解決するための拡大は上手く行かないと思うのだが・・・

2024/07/03