リーマン・ショック時に匹敵する深刻な状況に・・・

日銀が1日発表した6月短観は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス13と2期ぶりに改善し、22年3月以来の高水準となった。素材産業を中心に価格転嫁が進んでいる。一方、大企業・非製造業のDIはプラス33と小幅ながら16期ぶりの悪化という。特に値上げで購入点数が減少したとして「小売」は大きく悪化した。大企業小売のDIは19(3月調査時31)、中堅企業小売21(〃20)、中小企業小売6(〃8)で大企業の変化幅が大きい。先行きDIは、それぞれ18,15,1となっている。

▼また、日本銀行の消費活動指数によると、インバウンド需要の影響を除く消費活動指数は、19年第4四半期から大きく低下、22年までに名目・実質共に持ち直した。それ以降、名目指数は上昇が続く一方で、実質指数は頭打ちとなり、23年後半からは低下傾向がみられている。総務省家計調査では、24年1〜3月期の実質個人消費は前年比▲1.9%となり、09年1〜3月期以来となる4四半期連続マイナスとなった。この09年はリーマン・ショックに見舞われた時期で、現在の低迷は経済危機に匹敵する深刻な状況になる。

▼物価変動を考慮した「実質消費」とは、前年の生活水準を基準として、「名目消費」を再評価した指標であり、実質消費のマイナスが続く状況とは、前年水準の生活維持に必要な消費が行われていない(行えていない)ことを示している。消費者の生活水準の低下を示していると言っても過言ではない。「実質賃金」前年比マイナスとは、前年の生活水準を基準として、賃金収入の減少が続いている状況を示している。日常的には名目(額面金額)を意識して生活しているが、この状況が長期化すれば、当然、生活水準を切り下げた消費にシフトする事になる。

▼検索サイトに「値下げ」と打ち込んでみると、イオン/トップバリュ32品目を7/3値下げ、全国1万店で実施。イトーヨーカドー/7/1から100品目値下げ、日用品も追加。アピタ、ピアゴ、ユーストア/最大300品目を値下げ。ニトリ/300アイテムを最大20%値下げ。コメリ/日用品・工具など441品目を値下げ。イズミ/食品・日用品60品目を値下げ。平和堂/PB「くらしモア」100品目を値下げ…と値下げに関するニュース一覧がずらりと出てくる。食品スーパーの新聞折り込みチラシも価格強調のものが増えて来た。

2024/07/13