顧客が「我が店」に求めるものは・・・

6泊8日の修了研修だったが、久しぶりの米国を満喫できた。発見が多く日本国内で想像を高めていたことが、現場ではそれほどのことでは無く、意識していないことが予想以上に進展している。日本に置き換えた時に、どこまで展開するかを考察するに良い機会になった、あらゆるコストが高止まりするなか、商品政策、出店戦略、物流効率化、DXの加速など、さまざまな領域での取り組みを深化させ、さらなる成長を図ろうとしている。

▼米国でも、セルフレジは多くの店舗で導入されているが、新たな課題に直面しているようだ。それは万引きによる被害だ。パック商品をポケットやかばんにそっと仕舞い込む手口ではなく、数万円以上もする大型家電製品を堂々と持ち去るというケースもあるという。米国における盗難被害の深刻化は、店舗の継続的な運営そのものを危うくさせている。カリフォルニア州ではセルフレジを制限する法案すら提出されている。

▼フルサービスレジへの“逆行”がスタンダードになるのか、万引きリスクを最小化する機能を持ったセルフレジやスマートカートが出てくるのか、まったく新しいソリューションが誕生するのかといった感じだ。そして、店舗運営面だけでなく商品面でも、生活者の生活態度の変化とは別に、我が社(我が店)は、どうするかをこれまで以上に主張を始めている。植物由来の代替肉開発のスタートアップ「Beyond Meat」社などと提携して作られた商品も店舗によっては姿を消している。

▼MacDonaldは、健康志向の顧客に向けたサラダなどのヘルシーメニューの取扱いを止めるという。サラダは、1987年から販売を開始し、これまでも「McSalad Shakers」や大容量の「プレミアムサラダ」まで販売した。ただ、コロナ禍によりサラダメニューを縮小し、サプライチェーン問題の対処のためにメニュー合理化が必要になり直営店では販売を中止していた。古くからマクドナルドを食している米国の消費者にとってマックは、「美味しいフライドポテトや5ドルのセットメニュー、アツアツのハンバーガー」でしかないようだ。

2024/07/19