ひと時、食品スーパーのレジ打ちなどで「立ったままの接客」を強いられていることについて厚生労働省が事業者にヒアリングをして実態把握に乗り出すことを明らかにしたとの報道があった。その際、働く側が椅子の設置を求めても「座ることを許可していない」等の理由で事業者側が拒否するケースがあること。座ったままのレジ打ちは海外では一般的だが、日本では普及していないとも伝えていた。
▼この海外では一般的というのは、米国の事ではない。今回の店舗視察でもレジ係りが座っている事例は見かけることはない。座ったままのレジ係りはアルディ以外にはなかった。このアルディでは、レジ係りが立ったまま作業するより、座ったままのほうがより速くスキャンできることを担保するためのように見える。アルディは、常にレジ係りのチェックアウトスピードの測定をしているという。
▼以前、レジ係りにはノルマが課されており、1分間あたりのスキャン点数スピードがKPIとしてモニタリングされており、今回の視察時の説明では否定していたが、1分間あたり平均50点未満となる83%スピードならレイオフの対象となるとの情報を見たことがある。ノルマとなるスキャニングスピードは95%の速度で、1分間に平均57点と言うことだから、100%のスピードとは1分間に60点をスキャンするスピードということだ。1時間あたり、金銭の授受を含め約1,200点をスキャンすることが期待値ということだ。
▼例外もあり、高齢者などから「せかせないでください」「遅くしてください」との要望があれば、効率性よりカスタマーサービスを優先することを許可されている。決済完了後、次のお客のスキャニング開始までは3秒以下が努力目標にされている。米国の38州に2,360店超を展開するアルディはローコストオペレーションで知られている。商品パッケージの表面部分だけでなく、裏面や側面、底面にまで商品バーコードがついている。これでスキャニングミスがなくなり、レジ係りのオペレーション効率を上昇させているのだ。
2024/07/21