「値上げ疲れ」に買い物の楽しさと割安感の双方を・・・

食品スーパーの売場と感覚と乖離がある。新聞などによると最近の論調は、国内の消費が振るわないとある。確かにGDPの実質個人消費は3四半期連続でマイナス、家計調査による実質消費支出は13カ月連続でマイナス、4月にプラスになったが5月は再びマイナスに戻ってしまった。相次ぐ値上げによる「値上げ疲れ」が消費者の買い控えや節約志向につながっているのであろう。ただ、知る限り食品スーパーは好業績を維持している。

▼17日に発表された日経MJ紙「小売業調査(第57回)」の調査記事にも、消費者の低価格志向が「強まった」と感じている企業が4割とある。21年以降続いてきた値上げラッシュに消費者の「値上げ疲れ」の動きが広がっているとある。39.6%の企業が「低価格志向が強まった」と回答したほか、34.7%が「商品を値上げすると販売量が落ちる傾向が強まった」と答えている。割安なPB商品を打ち出すだけでなく、NB商品の値下げも広がる。

▼円安が進む中、今年度も販売価格を「全般的に引き上げる」「一部引き上げる」と回答した企業は合計64.9%に上り値上げは続く見通しだ。ただ、実質賃金は過去最長の26カ月連続のマイナスで、物価高に賃上げが追いつかない状況は続いている。値上げ疲れの消費者に、買い物の楽しさと割安感の双方を提供できるか。商品・価格戦略の拙攻が小売り各社の業績を左右する局面が続きそうだ。

▼消費者物価指数(総務省統計局)をみると、23年は20年を100として105.6、この期間の生鮮食品を除く食品が112.9であった。ただし、物価指数は特売価格などが考慮されていない「値札の価格」であって「売れた価格」ではない。実売価格をもとに価格のトレンドを把握したい場合は、「SRI一橋大学購買・単価指数」や、True Data社と流通経済研究所発行の「消費者購買行動年鑑」を参照することだが、どちらも価格の上昇幅は消費者物価指数よりも数ポイント低い。消費者は特売価格で購入や単価の安いものにシフトしているということだ。

2024/07/23