気温の高い日が続き、曜日配列に恵まれた6月・・・

小売業各社の6月実績だが、前年実績のハードルは上昇したが、梅雨入りが遅く、気温の高い日が続き、また曜日配列に恵まれたことが大きく良好であった。衣料品から服飾雑貨を始め幅広い分野で夏物商品が好調に推移し、週末の売上寄与が大きい家電、家具などが高伸長した。食品は各業態で堅調だが、業態間や企業間での差異がみられる。節約志向が強まるなかで、販促や二極化への対応の差が明暗を分けた。

▼百貨店は6月も好調であった。インバウンド需要は変わらず牽引、国内顧客は天候、曜日影響が追い風となり夏物商品の動き気が良い。高額品、化粧品は引き続き好調。株高などによる資産効果もあると推察される。高額品とインバウンド需要に強い都心大型店が引き続き好調であった。総合スーパー(GMS)も改善した。衣料品など非食品の構成比が高いこと、曜日影響がより大きいことによる。GMS、食品スーパー(SM)とも節約志向が強まるなかで、PBやEDLP型の商品が伸びている。

▼コンビニエンスストア(CVS)は、販促や二極化対応の差などにより、企業間のバラつきが拡大している。創業祭で企画を連打したローソンがプラス。セブン-イレブンで小幅マイナスが続いている。新商品、差別化商品は好調で、アイコスの新商品などが寄与している。ドラッグストア(DrS)は、化粧品の引き続き良好に加え季節商品(UVケア等)が伸長した。食品も値上げや季節商品が良い。インバウンド需要も貢献している。調剤は曜日影響があり処方箋枚数が減少した。外食企業は、特に休日に強い専門店業態と低価格業態の力強さが目立った。

▼数値の羅列になるが、SM業界、3月の主な企業各社の業績は次の通りである。

◎アークス:既存店6.1%(客数0.5%・客単価5.5%)、全店6.7% ◎アクシアルリテイリング:既存店3.0%(客数2.0%・客単価1.0%)、全店5.8% ◎いなげや:既存店3.0%(客数0.9%・客単価2.1%)、全店▲2.5% ◎オークワ:既存店▲1.7%(客数▲0.7%・客単価▲1.0%)、全店▲2.2% ◎関西スーパー:既存店0.9%、全店0.0% ◎ダイイチ:既存店7.4%、全店11.7% ◎バローHD:既存店9.8%(客数4.5%・客単価5.0%)、全店11.0% ◎ハローズ:既存店6.7%(客数4.0%・客単価2.6%)、全店8.8% ◎ベルク:既存店9.1%(客数5.4%・客単価3.5%)、全店13.3% ◎マックスバリュ東海:既存店3.2%(客数2.7%・客単価0.7%)、全店4.5% ◎ヤオコー:既存店8.8%(客数5.0%・客単価3.5%)、全店12.4% ◎ヤマザワ:既存店▲0.7%(客数1.3%・客単価▲2.1%)、全店0.7% ◎ユニバース:既存店5.5%、全店 8.1% ◎U.S.M.H:既存店0.4%、全店0.2% ・マルエツ:既存店3.5%(客数1.7%・客単価1.8%)、全店2.8% ・カスミ:既存店▲4.0%、全店▲3.4% ・マックスバリュ関東:既存店1.7%、全店0.3% ◎ヨークベニマル:既存店3.6%(客数1.0%・客単価2.5%)、全店4.5% ◎ライフコーポレーション:既存店4.6%(客数 2.4%・客単価2.1%)、全店6.4% ◎リテールパートナーズ:既存店3.8%(客数1.3%・客単価2.5%)、全店5.1%

2024/07/28