コーネル大学RMPジャパン12期が修了した。コロナ禍で20年から見合わせていたが、やっと再開が出来たもので無事に終了した事を喜びたい。毎回、熱心に受講して頂いたが12期になると、初期の頃と環境の変化や受講生の価値観の変化を感ずる。ますます楽しみになって来る。事務局的には、8月、9月とお休みを頂き13期の開講に備えたい。講義内容も重点を少し変える必要も感じている。
▼修了授業受講の為にニューヨーク州イサカ市のコーネル大学を訪問時に、大学周辺に展開されている米国を代表する小売業店舗の見学、ニューヨーク市までのバス移動の途中で見学する個性あふれる店舗、そしてマンハッタンに展開する都市型の専門店舗見学を実施しているが、ここでも変化の波が大きくなっている。店舗DXの進化もそうだが、小売業の基本であるマーチャンダイジングの変化が大きい。今回の店舗見学ではPB商品競争激化が印象的であった。
▼インフレ下でNB商品の代替としての存在から、味や素材に拘ることで顧客の信頼を獲得し、NBから一定のシェアを奪いつつあるようだ。同時にチェーン同士のPB商品競争も激しくなっている。Targetは、プレミアPB商品の「Everspring」や「Good & Gather」を含む合計5000アイテムを夏季限定で値下げしていた。こうした動きは、NB商品で多く見られる価格を変えずに内容量を減らす「シュリンクフレーション」に対する戦略のひとつと言えそうだ。
▼米国のPB商品の23年売上は2360億ドル(前年比4.7%増)に達した。19年との比較では34%増と、インフレ下でNB商品から売上を奪っているようだ。対前年比で伸びが大きかった食品カテゴリーは、一般食料品(10%増)、飲料(8.9%増)、冷凍食品(4.4%増)とあり、注目は、小売業の商品改良努力により、負のイメージが解消されつつあることだ。米食品産業協会の23年PB報告書によれば、顧客の54%が「もっと多くPB食品を購入する予定」と回答し、その理由は、「味がよい」が51%、「品質に満足」が47%ということだ。
2024/07/30