小売各社の8月の実績は、全体としては良好であった。記録的な猛暑となり、南海トラフ地震臨時情報発表や台風襲来、ゲリラ豪雨も相次いだことで、買い溜め需要や備蓄・防災需要が食品、日用品、防災用品などの売上を押し上げた。インバウンド需要は、為替の円高進行、季節性、天候要因により伸び率が鈍化した。業態別には、GMSとSMが改善、CVSが横ばい、百貨店は減速。ホームセンター、ドラッグストアが改善、衣料品は良好、家電量販店が悪化した。外食は小幅改善の状況であった。
▼百貨店は順調であるが伸び率は鈍化した。インバウンド需要の減速、天候もマイナス要因に働いた。売上の多くを占める国内客の需要は、台風の影響もあったが、ラグジュアリーブランドなどの高額品、化粧品が引き続き好調。衣料品など秋物商品の動きは未だ鈍い。スーパーはGMS、SMとも地震と台風の特需が寄与、猛暑効果で飲料や涼味関連も良好であった。地方の店舗を中心にお盆期間はハレの日の消費が盛り上がりご馳走の商品が好調。西日本では、店舗休業や時短営業の影響が大きい企業もあった。
▼CVSは、既存店が伸び悩んだ。月の前半は記録的猛暑となり、堅調に推移したが、後半は台風やゲリラ豪雨が客数減に働き減速した。特需の寄与は軽微である。飲料、おにぎり、カウンターFFなどが好調。DrS各社の既存店は総じて良好。ここでも地震や台風の特需が貢献した。調剤、物販とも良好。調剤は曜日の影響がマイナス要因。外食企業の既存店は前月からプラス幅がやや拡大する傾向がみられる。曜日配列の影響もあるが、外食需要は底堅い動きをしている。
▼数値の羅列になるが、SM業界、8月の主な企業各社の業績は次の通りである。
◎アークス:既存店3.5%(客数0.3%・客単価3.2%)、全店4.3% ◎アクシアルリテイリング:既存店4.7%(客数3.2%・客単価1.4%)、全店6.5% ◎いなげや:既存店6.3%(客数3.0%・客単価3.2%)、全店5.6% ◎オークワ:既存店1.7%(客数2.1%・客単価▲0.3%)、全店3.3% ◎関西フードマーケット:既存店4.1%、全店3.6% ・関西スーパー:既存店2.5%、全店1.6% ◎ダイイチ:既存店7.4%、全店11.9% ◎バローHD:既存店11.6%(客数6.1%・客単価5.2%)、全店12.9% ◎ハローズ:既存店9.7%(客数5.8%・客単価3.6%)、全店11.6% ◎ベルク:既存店6.5%(客数2.4%・客単価4.0%)、全店10.9% ◎マックスバリュ東海:既存店5.3%(客数3.4%・客単価1.9%)、全店6.4% ◎ヤオコー:既存店7.3%(客数3.2%・客単価3.9%)、全店10.4% ◎ヤマザワ:既存店▲0.6%(客数1.6%・客単価▲2.0%)、全店0.7% ◎ユニバース:既存店0.8%、全店 3.1% ◎U.S.M.H:既存店7.2%、全店7.4% ・マルエツ:既存店6.3%(客数2.5%・客単価3.6%)、全店6.1% ・カスミ:既存店9.3%、全店10.2% ・マックスバリュ関東:既存店2.8%、全店1.4% ◎ヨークベニマル:既存店3.9%(客数0.6%・客単価3.2%)、全店4.7% ◎ライフコーポレーション:既存店6.8%(客数 4.0%・客単価2.7%)、全店8.6% ◎リテールパートナーズ:既存店4.5%(客数0.8%・客単価3.7%)、全店5.9%
2024/10/02