米国小売市場は、堅調な成長を示している・・・

米国の小売市場は、23年も堅調な成長を示した。自動車、ガソリン等の燃料を除く小売の市場規模は、対前年比3.7%増の4兆3181億ドル(約647兆円)となっており、ここ5年間は年平均6.4%増で推移している。ただ、前年比の伸びが過去数年間と比べて見劣りする企業も出てきており、経営を取巻く環境は目まぐるしく変化し始めているようだ。長引くインフレによる消費マインドの低下や消費行動の変化も企業や業態によって影響がある。

▼調査会社の今後5年間予想によると、今後の経済状況、米国大統領選挙の結果などの影響を受けることも考えられるが、この1年の伸びとほぼ同じの年平均3.9%での成長を見込んでいる。小売市場の成長をけん引しているのがEC売上の拡大で、23年も8.6%増と成長を維持し、小売売上高全体に占める割合(EC化率)は27.5%に上っている。調査会社の予測には、28年には34.0%を占めるまでになるとの報告もある。

▼コロナ禍においてEC需要は急増、それに伴いEC化率も急上昇した。ただ、22年以降の成長率はコロナ前に戻り、一気に加速するかと思われたが急展開とはなっていない。米国といえども、コロナ禍での人々の行動の自粛や制限が解除されて人流が戻り、小売におけるリアル店舗の存在意義は高いことが示された。インフレの影響(23年インフレ率4.1%の中で内食5.0%、外食7.1%)は、食品小売業にとっての追い風で、4.0%増と好調だ。

▼販売額トップ10企業に動きは少ない。ただ、トップ10の販売額占有率は、21年に比べ2ポイント増加の42%と、上位寡占の傾向は強まっている。特にWalmartが好調で、前年から6.9%の増加だ。内食シフトの傾向に加え、商品品質の向上でより幅広い客層に支持されるようになったこと。即時配送やカーブサイドピックアップなどの利便性が認知され新規顧客の確保が出来たことによる。15~20%程度がEC経由売上と推測されている。

2024/10/10