米国小売業も、業態により好不調・・・

Amazon.comは、米国での売上構成比は約70%を占めており、主力市場となっている(日本は5%程度で主要国のひとつ)。コロナ禍で拡大したEC事業だが、足元では直販EC事業の成長が鈍化していることに加えて、リアル店舗事業の成長も緩やかになってしまった。反対にECのマーケットプレイス事業と広告事業は拡大し、売上構成比も高まっている。クラウド事業のAWS約15%の構成比、利益面は70%弱を占めるが成長性に陰りが見える。

▼業態別には、好不調が鮮明に表れている。コロナ禍での巣ごもり需要を取り込んで売上を拡大していたホームセンター(HC)業態は、DIY関連の需要が一巡したこと、インフレの影響などからリフォームなどを手控える傾向が強まり売上は減少に転じている。Home DepotとLowe’sはいずれも直近1年の販売額が前年比でマイナスとなっている。同じように苦戦なのは百貨店業態で、24年4月までの14カ月連続で前年比マイナスであった。

▼6位のTargetは前年比でマイナスとなっている。他方で、価格訴求型アパレル専門店(Off Price Store)は堅調だ。衣料品を安価で販売する「TJ Maxx」などを展開の売上高15位のTJXは9.2%増、27位のRoss Storesも9.0%増と好調に推移している。コロナ禍では店舗の営業が制限されたことで一時的に販売が落ち込んだものの、コロナ後のインフレと米国経済の先行きが不透明ななかで、価格訴求型の専門店は足元の業績は良い。

▼SM状況だが、全米チェーンでは4位のクローガー、10位のAlbertsons、12位のRoyal Ahold Delhaizeなど前年度プラスを維持したが、成長率は鈍化傾向が見られる。対し好調なのが地域密着型のリージョナルSMで、13位のPublix、18位のH-E-B、39位のWegmansなどの存在が大きい。地域の消費者ニーズを捉えた品揃えと価格設定、アプリ活用による顧客接点の拡充により、ロイヤルティを高める施策に積極的に取組んでいる。

2024/10/11