ドラッカーの『マネジメント』の内容は3部構成で、マネジメントの「使命」、「方法」、「戦略」が書かれている。最も重要な個所は、マネジメントの目的や役割について書かれた部分だ。マネジメントには、3つの役割があると定義している。それが「自らの組織に特有の使命を果たす」「仕事を通じて働く人たちを生かす」、そして「社会の問題について貢献する」との3つになる。これらについて上田 惇生先生はエピソードたっぷりに話してくれた。
▼「自らの組織に特有の使命を果たす」とは、青果を販売するならば、新鮮な野菜や果物を良心的な価格で販売する ― といった組織としてやるべき仕事をきちんと果たす方向に導くことが役割だと言っている。しかも、本気で取り組む仕事は、ワクワクしていてしかるべきであり、そうでないものには取り組むべきでないとも考えていた。本業を真面目にやるとの意味でなく、喜びを感じながらやる仕事こそ本業とすべきとの意味が含まれているのだ。
▼「仕事を通じて働く人たちを生かす」については、現代社会において、人々は何らかの組織に属しながら働いている。人生のほとんどの時間を職場というコミュニティの中で過ごしているので、企業は、単に仕事を提供するだけでなく、それぞれの人の得意とする分野を見極め、責任ある仕事を与えて、成果を出したらそれに対するフィードバック情報を与える。さらに、安心して働けるための環境を整備することが必要になってくると言っている。
▼ドラッカーは、マネジメントの柱として「顧客」のことを考えろと絶えず言い続けた。もうひとつの柱が「従業員」、いくら誠意をもって顧客の求めているサービスや商品を提供しても、働く人々が仕事に生きがいや幸せを見出せなければ意味がないという。顧客満足(CS)と従業員満足(ES)の両立が出来てこそ、会社としての存在意義があるというのだ。人を大切にする事と業績との因果関係は不明だがとして業績を上げた実例をたくさん話してくれた。
2024/10/21
