小売各社の9月の実績は、業態間で差があるも総じて減速した。主な原因は天候と8月発生の特需の反動である。全国で記録的残暑となり、秋冬物商品が総じて苦戦、気温が低下した下旬には改善傾向もみられた。衣料品専門店の一部企業は、残暑を想定し晩夏商品の展開を強化し好調に推移、飲料など良好なCVSは天候がプラス要因に働いた。百貨店などの高額消費、化粧品は好調が続いている。インバウンド需要は伸び率鈍化が続いている。
▼百貨店はインバウンド需要が鈍化した一方、国内の需要は順調である。例年、売上高が落ち着く時期、客数の伸びは落ちていないが客単価が下落した。ラグジュアリーブランドなどの高額品、化粧品が引き続き好調。秋冬物商品は苦戦するも下旬には改善。スーパーはGMS、SMとも減速。GMSは秋冬物衣料が苦戦。食品、日用品も8月特需の反動がみられた。節約志向が強まるなかで、PBやEDLP型の商品が伸びている。惣菜は引き続き好調。
▼CVSは、企業間でバラつきあるも、既存店の伸び悩みが続いている。天候要因はややプラス。節約志向が強まるなかで、食品を扱う他業態に比べ劣勢にある。新商品、価格訴求を強化した商品は好調。セブン-イレブンが既存店▲0.1%。DrS各社の既存店は総じて低調、8月から悪化している。調剤は順調も、物販が苦戦。化粧品は順調、食品や飲料は低調であった。主要外食企業の既存店は総じて好調。低価格業態に対する支持は高く、客数増による好調が続いている。
▼数値の羅列になるが、SM業界、9月の主な企業各社の業績は次の通りである。
◎アークス:既存店1.3%(客数1.2%・客単価0.1%)、全店1.5% ◎アクシアルリテイリング:既存店1.6%(客数1.9%・客単価▲0.4%)、全店3.9% ◎いなげや:既存店3.7%(客数3.7%・客単価0.0%)、全店2.5% ◎オークワ:既存店▲0.6%(客数▲1.2%・客単価0.5%)、全店0.6% ◎H2Oリテイリング(食品事業):既存店▲3.7%、全店▲3.8% ・関西スーパー:既存店1.8%、全店0.9% ◎ダイイチ:既存店2.7%、全店9.1% ◎バローHD:既存店1.1%(客数▲1.2%・客単価2.3%)、全店3.2% ◎ハローズ:既存店5.7%(客数4.4%・客単価1.2%)、全店7.5% ◎ベルク:既存店4.0%(客数1.9%・客単価2.0%)、全店9.1% ◎マックスバリュ東海:既存店0.1%(客数0.9%・客単価▲0.7%)、全店1.1% ◎ヤオコー:既存店4.6%(客数3.0%・客単価1.4%)、全店8.9% ◎ヤマザワ:既存店▲0.9%(客数2.9%・客単価▲3.7%)、全店0.0% ◎ユニバース:既存店0.6%、全店 3.1% ◎U.S.M.H:既存店2.7%、全店▲0.1% ・マルエツ:既存店2.8%(客数1.6%・客単価1.2%)、全店▲2.6% ・カスミ:既存店3.3%、全店4.1% ・マックスバリュ関東:既存店▲1.9%、全店▲3.2% ◎ヨークベニマル:既存店1.5%(客数0.6%・客単価0.8%)、全店2.3% ◎ライフコーポレーション:既存店1.8%(客数 0.6%・客単価1.2%)、全店3.6% ◎リテールパートナーズ:既存店3.9%(客数1.4%・客単価2.5%)、全店5.2%
2024/10/26