ドラッカー著『マネジメント』の解説を受けた思い出・・・⑧

上田 惇生 先生

多くのドラッカー著書の編訳者 上田 惇生先生から、お話頂いた解説の一部を記してきた。最後にドラッカーの著作の中でどれを読んだらよいかを聞いた処、「初めて読むドラッカー」四部作を薦めてくれた。このシリーズは、1999年の『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』を刊行された直後に、上田先生がドラッカーと相談して、ドラッカーの膨大な世界が分かる本を作ったもので、日本発の世界のベストセラーとなったものになる。

▼それが、『(自己実現編)プロフェッショナルの条件』(2000年)で、特に若い世代の間で『マネジメント〔エッセンシャル版〕』に次いで広く読まれているもので、「この本で人生が変わった」という人も多いと聞く。次に『(マネジメント編)チェンジ・リーダーの条件』、『(社会編)イノベーターの条件』(同年)、そして『(技術編)テクノロジストの条件』(20005年)ドラッカーの世界観の根本を知りたい方は、この本のプロローグがお薦めという。

▼上田先生は、2003年から2010年まで『週刊ダイヤモンド』に経営学の巨人の名言・至言 ― 3分間ドラッカーと題して連載されていた。これと並行してドラッカーの全著作から約7000の名言を集め、そのうち800を使って「名言集」四部作をまとめられている。『仕事の哲学 - 最高の成果をあげる』『経営の哲学 - いま何をなすべきか』『変革の哲学 ― 変化を日常とする』そして『歴史の哲学 ― そこから未来を見る』である。

▼ドラッカーの著作には大きな2つの流れがあり、「社会論」と「マネジメント論」になる。社会的存在として人間が生きて行くには、一人ひとりの人間を大事にする社会が必要になる。そんな社会を実現するために多くの著作、論考を発表し現代社会最高の哲人と評された。ところが、社会を論ずるに留まらず、そのような社会を創るための方法としてマネジメントを発展させ「マネジメントの父」と呼ばれるようになったと上田先生は締めくくられた。

2024/10/30