第50回 衆院選結果、熟議を取り戻す契機に・・・

明日から11月に入る。年末商戦が本格化して行くであろうが、今年は5日に米国の運命を決める大統領選の投開票が行われる。新聞の報道を見ると混戦だ。この混戦を制して最後に凱歌を上げるのはトランプ前大統領とハリス副大統領のどちらになるのだろうか。国際社会に及ぼす影響も大きいので動向は気になる。それにしても世界の主な民主主義国家で、これほどまでに一貫して各党への支持が拮抗している国は他にないように思える。

▼日本の衆院選は27日投開票され、自民、公明両党は過半数を大きく下回り敗北した。政治とカネの問題で自民党に厳しい審判が下った格好だ。自民は公示前の247議席から大きく減らし、09年以来の敗北となった。多くの小選挙区で競り負け、大物議員と言われた閣僚経験者や政治資金の不記載で非公認となった無所属前職ら有力議員の落選が相次いだ。連立を組む公明党も代表が落選したのをはじめ、関西で苦戦し、公示前の議席を下回った。

▼与党の敗北は世界的な潮流でもある。各国で相次いだ現職や与党に逆風が吹く流れが日本にも及んできたとも言えなくもない。選挙イヤーの今年、物価高や賃金、雇用など身近な課題に政治が十分に対応できておらず、有権者がノーを突きつける構図になっている。日本では、これに政治資金のずさんな管理と生ぬるい対応に自民は終始したことが、物価高に耐える国民の不満を増幅したとみるべきだろう。政権交代もあるのだろうか。

▼ただ、この選挙の争点が政治とカネの問題に集中し、政策論争が深まらなかったのは残念に思う。物価上昇を上回る所得向上への道筋や社会保障の給付と負担の見直し、人口減少に伴う地方創生のあり方などの重要課題があり、これらを解決に向けて動かない限り、各党の選挙公約など歪を生むだけだ。与野党の伯仲は政治のあり方として悪いことではない。国会審議は、これまで以上に緊張感を与えるはずだ。熟議を取り戻す契機にして欲しいものだ。

2024/10/31