
二宮 寿朗 著 双葉社 発売日 2021/6/26
日本のプロ野球は、3日、DeNAが、ソフトバンクに快勝し4連勝で、1998年以来26年ぶりとなる日本一を決めた。レギュラーシーズン3位から日本一になるのは2010年のロッテ以来14年ぶり2球団目になり、セ・リーグ球団では史上初の快挙になる。コーネル大学RMPジャパン事務局のSさんは、DeNAの熱烈なフアンであるから3日の夜は勝利の美酒に浸ったものと想像できる。おめでとうと心から申し上げたい。
▼シーズンでの戦績は、貯金わずかに「2」のチームが、圧倒的な強さを誇り、貯金「42」のソフトバンクを破ったのだ。当方、昔からのライオンズ応援団なので、この試合もポイントになった場面だけは覗くようにしてみた。2回に筒香のソロなどで3点を先制の場面、2点差になった5回、再び筒香の走者一掃3点適時二塁打などで一挙7得点の場面。9点差をつけ、そのまま逃げ切って、日本一が決まった瞬間の三浦監督のベンチで男泣きした場面だ。
▼リーゼント姿から、「ハマの番長」と親しまれた三浦監督。ドラフト6位での入団、98年を除けば優勝争いに絡めず、横浜スタジアムは空席が目立った。試合中に観客席からものを投げられ、選手たちで拾いにいった光景がTVに映るのを、私も覚えている。三浦監督は、他球団移籍する選手が相次ぐ中にあって、「強いところを倒して優勝したい」と残留を決めた。優勝は出来ずに16年に引退。21年から監督として指揮を執ることになった。
▼この球団を変えたのは、野球に素人と思えるIT企業だった。初代監督に中畑清、2代目にラミレス、そして三浦監督に繋いで下克上を果たしたことになる。地元愛を大事にしながら生え抜きをしっかり育成した。主催試合での観客動員数も235万人と球団史上最多を更新もしたという。DeNAがベイスターズのオーナーになり、リーグ屈指の人気球団となるまでの軌跡は、球団社長や初代監督、そして多くの「無名の社員」たちが創り上げた様子を記した『ベイスターズ再建録 「継承と革新」その途上の10年』に詳しい。経営という面でもおもしろい。
2024/11/05