米国西海岸の小売業視察研修に参加した友人からメールがあった。この時期なので大統領選挙で当選したトランプ氏に関することであろうと構えたが違った。参加者とWalmartなどで買物体験をする目的での店舗視察であったが悩んでしまったとのことだ。古い価値観がどうしても邪魔をして、小売業の特性、食品スーパーの特殊性が頭をもたげてしまい否定的な発想ばかりが出てきてしまったというのだ。枝葉末節にこだわってしまったらしい。
▼コーネル大学RMPジャパンの講義のなかでよく出てくる抽象化できるか否かの論にも近い。具体的なものを見すぎたものだから、本質にまで思考が及ばない状況だったのだろう。本質は、「利便性」追求の姿なのだ。友人は、具体と抽象を行き来できずに思考硬直化の状態で悩んでしまったようだ。流通DXを通して利便性実現施策が目白押しの状態なのだ。流通DXへの投資も莫大で、Walmartは、23年は前年2倍の206億ドルに達している。
▼米国の小売業が展開するスマートカートでの買物体験をして来たとある。Amazonが開発した「Amazon Fresh」にある「Amazon Dash Cart」とインスタカート傘下のケイパーAIが開発した「Caper Cart」を比較したという。残念なことに業界誌でしか知らないので、友人のメールそのままに記せば、この2機種の類似点は商品バーコードをスキャン、青果物の量り売りもPLU番号や商品名を入力し計量器でもあるカートで計算するという。
▼相違点は、Dash Cartは起動時にアプリにQRコードを表示させて読み込ませることで利用者のAmazonアカウントと同期する。決済は専用のレーンを通るだけで終える。Caper Cartの起動はスクリーン上のボタン一つで始められる。決済はカートにある決済端末にクレジットカードを挿入する必要がある。そして、両カートとも他の小売業への外販に積極的だ。Retail・Mediaとしての機能をスマートカートに担わせて、広告費という売上を得ようとしているからだとある。友人は、何を実現したいかを報告出来ないと悩んでいた。
2024/11/11
