新しい機能が追求されるATM事業・・・

池袋まで30分の距離にありながら、住む家の周辺店舗の閉店が続いている。確かに中心街から少し離れている住宅街だが業績に問題があるのだろうか。ユニクロが撤退し、いなげやの閉店、島忠ホームセンターが今年末の閉店との告知があった。企業体の効率を考慮してのものであろうが、20年以上も続いた店舗が無くなるのは不便になるだけでなく寂しく感じられる。当然だが、テナント店舗やサービス施設も一緒に閉店してしまうのだ。

▼ATMコーナーもなくなった。銀行の支店から小売店舗や駅などへの置き換えが進んで来たのだが、ここ数年は、毎年3千〜4千台ずつ減っているという。これは、電子マネーの普及で現金の入出金ニーズが急速に減ることが一番の要因なのだろうが、特に大手や地方銀行のATMの数が減っているようだ。現金の引き出し件数は、5年前に比べ31%減少し、残高照会も昨年実績は、10年前に比べて49%減という。

▼ただ、ATM事業は今後も減少傾向が続くことのようにみえるが、セブン銀行の足元の1台あたり利用件数平均が107.6件と前年に比べ3.2件増えたとの報告だ。ローソン銀行でも4〜6月期の総利用件数は6.7%増えている。けん引役となっているのが、電子マネーの入金需要で、ローソンでは総利用件数に占めるQRコード決済や電子マネーのチャージ利用の割合が18.4%あるという。流通系銀行の新しい戦略が攻勢をかけているようだ。

▼セブン銀行のATMでは、スマートホテルソリューションズ社運営のホテルのチェックインができるようになる。ATMの多機能化には新たな投資が必要なので、旧来型のATMと新型ATMの機能の格差は広がっていくのだろう。「ベルク」は、ローソン銀行のATMを店舗に導入し始めた。キャッシュレス決済の多様化を見据え、多様な電子マネーをチャージできる最新性を評価したのだろう。リアルなサービス端末はこれからも必要のようだ。

2024/11/15