「米騒動」は避けられなかったのか・・・

夏に起きた「令和の米騒動」であったが、新米の収穫は順調のようで品薄感はなくなったように思える。普段身近なコメだけにスーパーでしかコメを買わない一般消費者が最も弱い立場だった。供給と需要の変化がもたらしたコメ争奪戦であったが、どうすれば避けられたのか。そもそも騒ぎ立てる程だったのか。今回の品薄の原因は、供給と需要の両方にあるのだろうが、とくに供給側によるものが大きな影響を及ぼした。

▼昨年のコメ収穫量だが、面積あたりの玄米は平年並みであった。ただ、生産調整を背景に生産面積を減らし過ぎ、主食用米の生産量は、国の見通しより8万トン少ない661万トンだった。一部で渇水が起きるほどの記録的猛暑となったので「高温障害」が起こり、デンプンが十分詰まらずに実った白未熟粒や、精米する際に砕けやすい胴割粒が多発した。「ふるい下米」は、前年の51万トンから32万トンへと激減、ここでもコメ不足を生じている。

▼ふるい下米(したまい)とは、主食用の玄米を選別する際にふるい目から落ちたもので、低価格なブレンド米に混ぜるほか、みそや米菓、ビールなど米加工品に使用されるのだが、不足してしまった。高温障害時の影響はコメ粒が薄くなり、ふるい下米を増やしてしまうのだが、昨年の気象は夏前に日照不足となり、「分げつ」が抑制された為に、面積当たりのもみの数が減り、その分、夏以降の日照時間や記録的猛暑を受けて一粒一粒を肥大させたようだ。

▼需要量も急増した。物価高に悩む家庭にとって割安感があった。消費者物価指数でも、20年を100とすると、6月の食料品が116、パンは121、麺類は120の中で米類は107と緩やかであった。さらに、コロナ禍の影響で落ち込んでいた需要の回復、訪日外国人の増加も消費拡大に拍車をかけた。コメの需要量が毎年約10万トン減る傾向のなか、11万トンもの需要増である。それでも国内の需要減少が底をうったとみるのは早計で、長期的には減少傾向が続く見込みのようだ。対応は難しい。(つづく)

2024/11/19