商圏シェア拡大策の成功例か・・・

ヤオコーは、国道16号線をおおよその境に、事業エリアを南北に分けて売場づくりやMDを変化させる“南北政策”を推進している。今年9月にオープンした「ヤオコー久喜吉羽店」は、北エリアの旗艦店としての位置づけになる。売場面積は約900坪で最大規模になる。NSC(近隣型ショッピングセンター)の核テナントで、駐車台数約270台を備えるアクセス面でも良好だ。競争環境は15店舗もの食品スーパーが密集する激戦区でもある。

▼自社店舗も、約8.4㎞西に「ヤオコー久喜菖蒲店」、約4.5㎞南に「ヤオコー新白岡店」、「ヤオコー東鷲宮店」がある。このうち久喜吉羽店は50代以上の「ミドルシニア層」、久喜菖蒲店は64歳以下の「ミドルヤング層」、東鷲宮店は49歳以下の「ヤングファミリー層」にそれぞれ特化するとしておりターゲットが異なる。久喜吉羽店を旗艦店としてドミナントを構築、ターゲットをすみ分けることで、マーケットシェアを最大化しようとしている。

川口SKIPシティ店 イートイン横のキッズコーナー

▼一方、10月に「ヤオコー川口SKIPシティ店」を開店した。SKIP(Saitama Kawaguchi Intelligent Park)シティは、川口市にある映像制作を目的とした施設、この未開発エリアに、100円ショップやドラッグストアなどがテナントに入る近隣型ショッピングセンターの核店舗として出店した。この店舗は南エリア戦略店となる。人口は減少するも、若年層の転入などで世帯数は増加の傾向がある川口市で子育て世帯をメーンターゲット設定している。

▼こちらも、周辺半径2㎞圏内だけでも、「サミットストア鳩ヶ谷駅前店」「マルエツ上青木店」など27店舗もの競合店がある激戦区になる。自社店舗も、「川口朝日店」、「川口本町店」、「蕨南町店」が位置しドミナントの空白地帯を埋め、商圏内シェアの最大化を図る。南北政策による売場づくりの違いのみならず、自店内競合の影響をどのように減少させ、シェア拡大を実現するのか、ターゲティングと施策、効果実績の行方が気になるところでもある。

2024/11/25