関西の食品スーパー業界で真っ向勝負が・・・

「オーケー高井田店」HPより

関西1号店の「オーケー高井田店」が26日開店した。「関西スーパー」の争奪戦を繰り広げた因縁の地に自店出店で挑む。迎え撃つ地元勢も対抗する戦略を打ち出している。関西の食品スーパー業界で真っ向勝負が幕を開けた。「EDLP」が強みのオーケーの販売戦略が関西エリアでどれだけのインパクトを与えるか興味深いところだ。関東の成功手法では通用しないとの意見もあるが、関西で10店舗ほどの出店用地を確保しているとみられている。

▼2021年に、オーケーは関西進出のため関西スーパーマーケットの買収をめざした。エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)との争奪戦は臨時株主総会や法廷闘争にまでもつれ込み、最終的にH2Oが傘下の食品スーパーと関西スーパーを経営統合した。オーケーは関東の1都3県で約150店舗を展開しているが、商圏人口が多い関西への進出を悲願としてきた。開店した高井田店の土地は、東大阪市が公募提示額の4倍となる約27億円で落札した。

▼店舗紹介には、地下1階・地上5階で、地下1階に2473.㎡(748.10坪)のオーケー、1階は300坪くらいのダイソーが入り、2階~4階が駐車場192台。5階はオーケー関西事務所となっており、営業時間は8時30分から21時30分までとある。関西勢は「ハイ&ロー販促」が中心の伝統的な戦略が強い。「特売がないと、つまらない」と言うように関西の消費者の特売への期待感は強いものがあるが、価値観を変える事が出来るか。

▼半径1キロメートル圏内にスーパー8店舗が競合する激戦区でもあるので、地元勢の対応も激しいものがあるだろう。多くの経営者が「うちとは商売の仕方が違う」「値下げ競争ではなく、違う価値を打ち出す」「高級店から割安店まで立地に合わせて出店し、グループとしてのシェアを高める」との立場での対応が始まっている。関西の食品物価は安い。特に大阪は全国平均を下回る99.5だ。こうした消費者の特性をふまえた各社戦略は絶好の学びだ。

2024/11/30