師走に入り、時間の過ぎる速さを痛感する。毎年、何年も繰り返してきたのだが、夏過ぎると小売業は年末商戦まで短い。昨日、外出しての電車の中で女子高生の何名かが会話に嵩じていた。「ねえ、今週はあっという間の一週間だったが、月曜日はちゃんとあった?」「そうだね、早く過ぎた一週間だったね。そういえば水曜日から始まったような気がするよ」という微笑ましいジョーク交じりの会話だったが、若い人も時間が速く過ぎるようだ。
▼“年の初めは贅沢を味わいたい”というニーズを先取りしようとTVショッピングサイトを中心に各社のおせち商戦真っ只中だ。今年1月に「紀文」は、インターネット調査とグループインタビューを実施している。それによると昨年末は家族の集いが61.9%(前年比3.7%増)と増えていた。おせちを用意したかの質問に30代、40代が伸びて48.3%(同2.2%増)となり、若年層は仕掛けによってはまだ伸びる余地がありそうだ。
▼細かな分析で見ると、喫食率は60.0%となり1.0%増えたが、集いの比率、用意の比率増に比べて伸び率が低い。迎える側60代の用意率が低下したことが要因で、これが上がらなければ、その子ども世代である30代、40代の喫食率も伸びない。ここがおせち商戦の課題と捉えているようだ。また、費用は1万3127円(3.1%増)、398円の増加であった。増加は商品値上げの影響が大きい。60代がかけた費用は伸び悩んでいる。用意品数は9.0品から8.8品と0.2%減少した。全世代で微減傾向にある。
▼予約お重詰めセットは、数量で5.9%、金額で1.5%とそれぞれ減少。反比例するように手づくり需要が増えたとの解説だ。今年の通販サイトのトレンドだが、「伝統的な和風おせち」に「有名料亭・レストランのおせち」、「和洋・和中を組み合わせたおせち」「オードブル付きおせち」などが多彩だ。この数年、話題になったSDGs・フードロス削減・アップサイクルなど食材のムダに取組んだおせち商品だが、今年はどれだけ取組んでいるのか楽しみになる。
2024/12/02