
丸広百貨店本店「まるひろ川越店」
百貨店の動向だが、コロナ禍の影響から急速な回復を続けるものの、再編、退店は続いている。特にコロナ禍で体力が枯渇した企業の店舗閉鎖が続いているようだ。全体としての好調の要因は、インバウンド需要回復が継続している。円安による影響も大きいようだ。富裕層向けの好調な売り上げも続いている。富裕層顧客掘起しで、こだわり消費を徹底的に取りに行く、高感度で上質な消費を取りに行っている。中長期的な「まち化」戦略も貢献している。
▼丸広百貨店本店の「まるひろ川越店」が、改装工事を終え、先月13日に全館オープンしたので、全館をゆっくりと回ってみた。小生、最初の配属店が「イトーヨーカドー川越店」であったので、50年以上も気になって見て来たことになる。当時は、「東の『丸広』西の『トキハ』」と、地方百貨店の雄として隆盛を誇っていた。しかし、人口減少や高齢化に直面し、富裕層の裾野が狭くインバウンドの恩恵も少ない地方百貨店は苦境に立っている。
▼20年から耐震工事を始め、営業を継続しながらリニューアルを進めてきた。力を入れたのが店内で快適に時間を過ごせる空間づくりのようだ。待ち合わせや憩いの場として使えるスペース「まるひろば」を開設。充電スポット、買い物以外で訪れた客もくつろげるデザインを施した。物販主体の「百貨店」から、心地よく時間を過ごすことを重視する「百過店」への転換を掲げでいる。改装を契機に周辺住民との関係をさらに深める考えのようだ。
▼ベビー休憩室に加えてベビーカーのまま入れる試着室の設置。レストランの営業時間を午後9時まで延長し、個室を設けて会食などでゆったりと過ごしてもらえるようにしている。効率偏重を見直した。高級ブランドで集客するのではなく、居心地の良さを売りにしたいとのコメントも発信している。丸広百貨店の24年2月期の売上高は210億円と前年比で4%減っているのだが、高齢者や子供を連れたファミリー層など幅広い年代層の来店頻度が高まり、店内で時間を費やすなかでの消費行動を後押しする戦略が成功することを期待したい。
2024/12/05
