12月の講義で「アカウンティング」を学んだが、数字を読み解くことが大事で、敬遠され、理解しづらい分野でもある。ただ、「Business Language」と言われているように基礎的なビジネスルールでもある。このプログラムの受講者にとっても、成果を出し続けるための必須の武器になるもののはずだ。アカウンティングの語源のアカウントは「報告する・説明する」という意味が含まれているので、ビジネスにおけるコミュニケーションツールとしての役割もある。
▼株主は「会社は安定して成長するのか?」、銀行であれば「融資したおカネは返済可能なのか?」、取引先であれば「安心して取引を継続できるだろうか?」などの判断が必要になる。その際、重要な判断材料のひとつがその企業の経営状態だ。経営者が口頭で説明することも考えられるが、主観を伴った説明より客観的な数字である財務諸表によっての説明が重要になる。その結果で、多くの資金や人材などの経営資源が集まり、成長期待が高まるのだ。
▼また、社内での予算の達成状況の把握や問題点の分析、新規プロジェクトの意思決定などにも活用される。外部環境や戦略などの定性的な分析や説明だけでなく、定量的な情報や分析を加えることで説明力が増す。それは、意思決定の精度が高まることに繋がるのだ。アナリストの柳平先生も、小売業業界の一般論として、経営幹部にアカウンティングに理解が高い人のいる(例えば金融機関経験者など)企業はある種の安心が生まれる旨の話もあった。
▼「アカウンティング」に限らず、知識を仕事で活かせるようにするには、その知識を身につける、それを使って自分でやってみる。そして他の人からの意見を聞く、その意見を参考に自分の考え方を改善することが大事になる。財務諸表の成り立ち等の知識を「知っている」から、日々の「仕事でつかえている」状況になるためには、多様なバックグラウンドを有する受講者たちとのディスカッションを繰り返して自分のものにして欲しい。知識を得ることで終わってしまう「独学の罠」に陥らないようにして欲しい。
2024/12/14