
「シャウエッセン 夜味」
日本ハムが24年10月に期間限定で発売した「シャウエッセン 夜味」が、販売目標の3倍を超え、好調な売れ行きを見せているとある。この夜味、「シャウエッセン」のシリーズで、5年ぶりに登場の新しい味だ。食感はそのままに、スパイスを効かせ夕食需要に合う味付けにしたとの広報だ。商品名に「食べるシーン(夜)」を採用した。Xの公式アカウントで「シャウエッセン新味 まさかの?味」と投稿すると、約900万の反応があったという。
▼その勢いのまま今もペースが衰えることなく売れ続けているという。しかも、これまでの「シャウエッセン」とのカニバリも起きていないらしい。シャウエッセンは、1985年に発売したブランドで、来年2月には40周年を迎える。課題は、コアファンの高齢化にあったようだ。ブランドの成長を維持させるため、若い層にもシャウエッセンのファンになってもらう必要があったようだ。食品スーパーの抱えている課題とも重なるので注目したい。
▼日本ハムは、24年5月にファンの交流の場となる「ファンサイト」を開設した。商品への思いを共有できる場や創作レシピなどのコンテンツを用意したのだ。その上で、今までにない形でファンを呼び込むべく、集大成として夜味を開発したという。調査でシャウエッセンは「朝と昼に食べる人が約8割を占める」と分かっていた。その一方で夜に好んで食べる若い世代がいた。30~40代の男性であり、夕食のおかずとして食べていた。
▼夜に食べるものとしてイメージし易いブランドになれば、購入回数を増やせると考えて話題づくりは、「ティザー広告」を仕掛けたのだ。ティザー広告とは、ある要素を意図的に明らかにしないことによって消費者の注意を引きつける手法で、結果ユーザー生成コンテンツ創出を狙うSNS戦略に注力したという。しかも、ボイル調理を訴求して来た「食べ方」を35周年に「電子レンジ調理OK」と方針を変え、今度は「焼き調理もOK」と定義し訴求したという。ここでもSNS戦略が功を奏しているようだ。
2024/12/25