10代女子が選ぶ流行ったコトは・・・

アサイーボウル

Z世代を意識した年であった。日本でのZ世代の人口はそう多くはないが、影響力は無視することはできない。1990年代半ばから2010年代前半に生まれた若者を指す言葉だが、デジタルネイティブ世代として知られ、インターネットやSNSが生活の一部となった環境で育っている。グローバルな問題に対する意識が高く、社会的責任感を持っていると言われている。商品の消費額全体から見ればその額は小さいが、影響は大きくなりそうだ。

▼食品スーパーの次世代の顧客として意識して若い層のヒット商品を追いかけてみても、法則はないようだ。どうも需要予想や顧客分析などのマーケティング手法で売れるというより、ネット配信された情報でブームが巻き起こるケースが多い。マイナビのマイナビティーンズラボやZ総研が年末に公表したトレンドのランキングを見てみた。ちなみにZ総研の24年下半期は、1位「アサイーボウル」以下、2位「グリークヨーグルト」3位「麻辣湯」とある。

▼上記2つのランキングに共通なのは、自宅でカスタマイズした食べ物への関心の高さになる。マイナビの「10代女子が選ぶ流行ったコト」ランキングの1位は「焼きポンデ作り」で、ミスタードーナツ「ポン・デ・リング」をフライパンで焼くアレンジレシピのことで、焼くという簡単なアレンジなのに、別の食感が生まれ手軽にできるとSNSで一気に広がったようだ。流行の商品にアレンジを加えるという行動はトレンドの発信源のようだ。

手づくり麻辣湯(マーラータン)の素材例

▼日経MJのヒット商品番付でも「丸亀うどーなつ」、サントリー食品「おうちドリンクバー」などアレンジ系フーズが数多くあった。完全にパッケージされたものよりもカスタマイズあるいはアレンジという体験価値の提供が欠かせないようだ。SNS時代のヒット期間は短く「流行」と言いづらいが、共通性は自ら参加するセルフ要素があり、瞬間を楽しむという感覚なのだろうか。しかも時間的にも費用的にもパフォーマンスが高いもののようだ。2024/12/26