米国小売業、最後のカテゴリーキラーも・・・

米国小売業 最後のカテゴリーキラー「Container Store」

米国の「The Container Store」を知る人は少なくなってしまったのかも知れない。店名の通り、整理整頓やあらゆるものを収納する商品「入れ物・コンテナ」の専門チェーンストアで、最後に残ったカテゴリーキラーと言えるかもしれない。全米に103店舗を展開する「コンテナストア」は、24年3月期決算で、最終損益で2年連続赤字を計上している。以来、1ドルを割り込むほどの株価低迷で上場廃止の危機に直面している。

▼この企業、フォーチュン誌が毎年選ぶ「最も働き甲斐のあるベスト企業100」に18年までは19年間連続して選出されていた企業で、スタッフを大切にする7つの原則もあり、カスタマーサービスにおいては現在でも好評である。一昔前の米国小売業視察には必ずと言って良いほど視察店舗に組み込まれていた企業だ。同社の原則である「偉大なひとりは3人の良い人に匹敵する」の言葉は現地コーディネーターが必ず説明したものだ。

収納に関する専門店

▼偉大なひとりの雇用のため、就職希望者の3%程度の採用しかしない。業界平均の倍の給与を支払っても3倍の生産性がある。1年目のスタッフには240時間以上のトレーニングを受講させて、現場スタッフは武器そのものであった。ただ、急速に進んだインフレで主要顧客である富裕層が不要なものを買わなくなり、収納用品のニーズが減少。金利高から住宅の買い替えが進まず、カスタムクローゼットなどが売れない状況になってしまったようだ。

▼強力なライバルが「Target」のようだ。約2000店舗を展開し、コンテナストアよりはるかに安い料金で整理・収納用品を目にすれば、そちらを選ぶ人も少なくない。しかも、ECで注文した商品の受け取りや返品を駐車場でできるサービスもあるため、利便性も高い。中国発のネット通販サイト「Temu.com」も脅威だと言える。コンテナストアは、差別化として1万品目にもなる商品群や専門性、信頼性を挙げているが、割高なホームグッズは物価高の中では全く売れないようで、昨年のベッドバス&ビヨンドの破綻からも見て取れる。

2024/12/28