
権藤 博著『権藤主義』唯一無二の痛快野球論(ベースボール・マガジン社)
日本のプロ野球界は、DeNAが横浜時代の98年以来、26年ぶり3度目の日本シリーズ制覇。今季の公式戦は貯金2で勝率5割7厘の3位。まだセ・リーグ優勝は60、98年の2度しかないので、リーグ優勝より日本一の方が多いという稀なチームがDeNAだ。リーグ優勝球団以外の日本一は19年ソフトバンク以来5度目。3位からは10年のロッテ以来2度目で、セ・リーグで3位は初めてで、「最少貯金」、「最低勝率」での日本一だ。
▼98年の日本シリーズは、西武との対戦だった。横浜は9-4、4-0と横浜スタジアムで2連勝。西武ドームでは、2-7、2-4と連敗したが、第5戦は17-5の大勝で王手をかけた。第6戦は駒田が8回に2点二塁打で先制。9回を佐々木が1失点に抑えて日本一を決めた。西武ライオンズの応援団員であるので経過は良く覚えている。まだ悔しさが残っているのだ(笑)。60年は三原監督、この時98年は権藤 博監督であった。
▼この権藤監督が、昨年末に著書『権藤主義』(ベースボール・マガジン社)を出版している。唯一無二の痛快野球論のサブタイトルがつけている。権藤氏は、1938年の生まれであるから今年86歳だ。68年に現役引退しているので、多くの人は選手としての活躍は知ることはないだろう。現在、日経新聞「悠々球論」欄で執筆しているが、この本は、長嶋、王、野村など野球界レジェンドの評価と野球論だが、その時代を知っているだけに楽しめた。
▼中日でエース投手として活躍したが、「権藤、権藤、雨、権藤」と言われるほど酷使され短命だった。指導者としての評価も高く、監督就任1年目で優勝、日本一となった。いろんな監督のもとで、投手コーチを務めた時に学んだ「べからず集」に則って采配、「仕えた監督たちと逆のことをしただけ」と言う。氏の学ぶことができた監督は、与那嶺要監督、ドン・ブレイザー監督だけで、あとの監督は欠点だらけだったので、その逆を実行したという。「いる選手で出来る野球をするだけで、監督は選手のやる気をそがない」、「要は何をするかより、何をしてはいけないか」に徹したとある。常識の中にある「非常識」に目を向けることで、未来はきっと大きく変わるようだ。
2024/12/29
