高額所得者の増加で成長維持の2社の違い・・・

Aldiの青果売場

米国小売業を見る時、「Aldi」の存在は大きい。今年だけでも120店舗を新規に出店しており、食品スーパーとしてのプレゼンスはますます増している。今年3月の時点で、2028年末までに800店を新規に出店すると発表した。5年間で約90億ドルを投資することになる。16年から進出した南カリフォルニアの店舗数を増やしながら、21年にアリゾナ州(12店)にも拡大、来年はネバダ州にも進出しラスベガスへでの複数店舗の出店を計画しているようだ。

▼昨年の夏、Southeastern Grocers社から取得した、「Winn-Dixie」と「Harveys Supermarket」の約400店舗をAldiに改装しており、合わせて2,800店規模となっている。約5,000万人になるAldiの顧客のうち、新規客は5人中2人の割合という。新規の多くがインフレや金利高の影響で、中・高額所得者層になるという、定点観測を続けているイサカ市の店舗を見ても、客層の変化は良くわかる。駐車場の車も高級車が増えているからだ。

▼Aldiと同様、高額所得者層の集客で成長を維持しているのが「Walmart」だ。なんと、Walmartの増加客の75%が、年収10万ドル以上の世帯が占めているらしい。チャネル別には、ネットスーパーを含めたECの売上高は、Curve side pickupや宅配が好調で前年同期比22%増となっている。ただし、新規客として富裕層を引き付けているが、AldiとWalmartのビジネスは対照的だ。120店を新規出店するものと、10店舗もスクラップしたものの差がある。

▼この違いはビジネスの定義にある。Aldiはディスカウントスーパー、Walmartはオムニチャネルリテーラーだ。牛乳に卵、パン、炭酸飲料、シリアルなど食品の必須アイテムの価格を調査したものがあるが、Aldiが43.48ドル、Walmartで64.98ドルだった。20ドル以上の差でAldiが安いのだ。Walmartは、顧客のニーズやウォンツに合った方法でショッピングを提供し、パーソナルな小売体験を追求して顧客のニーズやウォンツに適応できる「Adaptive Retail」を主軸にしている。このパーソナライゼーションの中心にあるのがWalmartのスマホのストアアプリで、多様化する買い物に適応するツールとして貢献している。

2024/12/29