大晦日である。これ程迄、少子高齢化の問題が各方面で問題として噴出した年はなかった。2010年に食品スーパーの近未来対策として日本スーパーマーケット協会時代に『シナリオ2020』を発表したのだが、人口減を業界全体で考え、対応したいという意味でひとつの項目に挙げた。経営問題を考える時に必要なのは、顧客の変化(量的な面、質的な面)への対応、法令の改廃、新設への対応、情報技術進化への対応と考えたからだ。
▼当時、量的な面として人口が減少する、既にしている地域があるので積極的に対応する事が大事になると訴えたつもりであるが、あまり興味を示して貰えなかった。むしろ質的な面への変化は研究の材料として積極的に取組んでもらえた。「モノ」から「コト」、「モノガタリ」など品揃えのテーマとしての論が進んだのだが、このマーケティング発想を強化しさえすれば「需要創造」が叶い、人口の高齢化や現象は乗り切ることが出来ると理解されたのだ。
▼ところがここ数年の動きを見ると需要の減少以上の問題が生じている。一番は働き手の不足が深刻化している。(独)労働政策研究・研修機構が公表している24年6月調査の雇用人員判断DIによると大企業で▲27ポイント、中堅企業で▲40ポイント、中小企業で▲43ポイントとなっている。20年のコロナ禍以降、数字は悪化の一途を辿っている。産業別には非製造業の方が、製造業より深刻な状況になっているようだ。
▼パートタイム労働者過不足判断を見ると「卸売業・小売業」は、若干の落ち着きはあるようだが、人手不足感は高い。食品スーパーでも「スポットワーク」を活用せざるを得ない企業も増えている。「103万円の壁」問題も理解が乏しいと12月に調整に入られるケースも多い。人手不足は少子高齢化だけでなく、人材の需給のアンバランスや都市への集中問題などさまざまではあるが、組織の人材育成や新陳代謝において長期的な悪影響が懸念される。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。来年も、取巻く環境が良い方向に向かう切っ掛けづくりになるよう奔走しましょう。
2024/12/31
