今日から初売りで出勤の人もいると思う。既に元旦からの方もいるはずだ。ここ数年、2日まで、3日までと店休する企業も多くなって来ているが、顧客のご期待に応えるべく元旦から売場に立っている人も多い。古いと言われそうだが、出勤しての高揚感は小売業に勤める者として嬉しく、楽しくもあった。現役の頃を思い出すと、元旦の午前中は、「おせち」など正月用品の苦情が入らないかを心配していた。物流を担当した時は、初荷の準備で出勤し、情報管理の時は越年処理に忙しかった。
ここ数日、コーネル大学RMPジャパン13期の開講セミナーのダイジェストを掲載させて頂く。来日して記念セミナーで講演頂いた2人の教授によるもので「世界の食品産業の現状と課題」と題するものになる。今日と明日は、ミゲル・ゴメス教授のお話を掲載させて頂く。
- 「食」は単なる栄養以上のものを与える

ミゲル・ゴメス コーネル大学教授
文化人類学者のマーガレット・ミードは「食べ物はリフティングに役立つ」と記している。「食べ物は単なる栄養以上の象徴的なものを与えてくれる」ということだ。栄養も重要だが、お祝い事や特別なイベントがあるとき、私たちは食事の席で祝うではないか。食べ物は人々と社会を結びつけるものだ。
写真家のマンセル氏は、50か国以上を旅して典型的な家庭のキッチンから1週間分の食事を記録するというプロジェクトを行った。彼の写貞を見ると、その家族の文化や社会について理解が深まる。例えば、ドイツのSturm家は1週間の食費が約320ドルで、サラダ、エビ、バター、野菜が好物であることが食卓に反映されている。米国のCaven家は1週間に食費を約200ドル使い、多くのプリパッケージ食品を購入しており、米国のブランドが目立ち、食品業界のブランディング効果が伝わってくる。日本のマツダ家は、食費が週に約180ドル。米、魚、野菜が主な食材だ。新鮮な野菜や果物、魚が食卓に並び、独自の食文化が見られ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている日本食なのだ。
このように食べ物は文化を反映しており、食文化は現代のグローバル社会における国家のアイデンティティの一部であるため、その伝統を守っていくことが大切なことなのだ。
- 食料システムは持続可能であること
食料システムは、お客さまや労働者、環境、作業者のために機能しなければならない。食品の流通・小売は、大きなシステムの一部であり、このシステム全体が抱える課題を解決することで、より良い社会に貞献できる可能性がある。持続可能な食料システムとは、農場から食卓に至るまでのすべてのプロセスを指し、経済的、社会的、環境的に持続可能であることが求められる。
国連食糧農業機関(FAO)による持続可能な食料システムの定義は、「利益を上げ、経済的持統可能性を確保し、社会に幅広い利益をもたらし、自然環境にプラスまたは中立的な影響を与えるシステム」ことを意味している。食料生産のプロセスは、天然資源、労働力、技術などと相互作用するため、日々の仕事が様々な問題に影響を与えることを認識する必要がある。(つづく)
2025/01/02
