物価高への配慮と人手不足に対応・・・

トランプ大統領の政策運営の影響は、為替相場を通じて現れそうだ。日本も日銀の利上げを背景に金利は上昇含みだが、米国金利の上昇局面では日本より変動幅が大きい傾向にあるためドル高円安が進展しやすくなる。円安の進展は、輸入物価の上昇を通じて、物価全体を押し上げる。ロシアへの経済制裁が解除されて資源価格が下落すれば、輸入資源価格が下落するものの、トランプ大統領の政策が円安を加速させる力を持つ可能性を秘めている。

▼25年の流通業界を取り巻く環境は、① 個人消費は底堅く、② 金利は緩やかながらも上昇傾向、③ 為替相場は現状からやや円安進展の可能性、④ 各種資源価格はウクライナ情勢次第とのことだ。春闘賃上げ率は5%程度と、昨年の5.33%に近い伸びになると予想される。企業業績は底堅く、物価高への配慮と人手不足に対応するためだ。インフレ率が消費者物価上昇率で2%台前半であれば、実質賃金の伸びは±0、ないしは小幅プラスになると見込まれる。

▼一方、人手不足については、小売業界は厳しい状況が続きそうだ。昨年9月調査の日銀短観の雇用人員判断DIをみると、小売業のDIはマイナス47ポイントと、「宿泊・飲食サービス」、「建設」、「運輸・郵便」などと共に〝人手不足業種〟となっている。雇用人員判断面で不足感が低い業種が「電気機械」だが、それでもDIはマイナス11で、全31業種が人手不足であり、小売業界は人材確保のために一層の労働条件の引き上げが求められる。

▼今後、政府で議論のいわゆる〝103万円の壁“が引き上げられる幅によっては、既存人員での労働投入量のある程度の拡大は期待ができるが解決にはならない。原材料コストについては高止まりが続くことを想定していた方が無難だ。人件費や金利が上昇傾向を辿る中で、原材料コストも嵩めば収益性は厳しくなる。コスト上昇分の価格転嫁が厳しいのであれば、やはり結論はいつも同じなのだが、「生産性の一層の向上を図る」必要がある。

2025/01/10