論理的な議論の結果ではなく、「空気」に支配・・・

よく話題に上るのが、亀田製菓の会長CEOがインド出身のジュネジャ・レカ・ラジュ氏ということについてだ。亀田製菓は創業当初、創業家一族が経営を担っていたが、2000年以降、経営の透明性や専門性を重視し、一族以外から社長や会長が選ばれるようになり、現在の会長は6代目のジュネジャ・レカ・ラジュ氏、社長に高木 政紀氏が就任している。創業家一族は、取締役や株主として重要な役割を担い、伝統と革新をバランスよく進めている。

▼インド人のジュネジャ・レカ・ラジュ氏を会長に選んだのは、① グローバル展開の強化、② 発酵工学の専門知識、③ 主力商品の「柿の種」からの脱却を進めるためのものと推測できる。長く日本で暮らし日本市場や文化をよく理解しており、多様性重視の企業姿勢を示した事にもなる。就任後は、業績を着実に伸ばし、24年3月期の利益は前年30%以上の増加だ。海外展開強化、新しい商品の開発、健康志向の商品展開、社会への配慮なども着実だ。

▼このラジュ氏、AFP通信が配信した「日本はさらなる移民受け入れを」という記事で大炎上した。「中国産」の製品があるということ加わり、株価は下落、ネットやSNSでは「不買」を呼びかけている人も出た。ただし、動画内の発言では、「日本は変わらなければいけないと思う。バックグラウンドは変えられないし、それを誇りに思う。日本は、柔軟性を持って海外から人材を受け入れることが極めて重要になるだろう」ということで、「さらなる移民受け入れを」なんてことは一言も言っていないのだ。

▼昨今の選挙戦略ではないが、「雑な情報操作」に操られ、敵意をムキ出しにしている事実が怖く感じる。悪用されれば、憎悪を煽り、テロ行為に走らされる可能もありそうだ。今回のケースも政府推進の「海外から人材を受け入れる」という政策を加速すべきだと言っているに過ぎない。論理的な議論の結果ではなく、「空気」に支配されてしまう日本人だが、すべてのメディアには「意図」があることを理解して行動できるようにしないといけないはずだ。

2025/01/12