昨日の続きになるが、創発(学派)は、現場発の活動こそが経営戦略の中核であると考える。具体的には現場で権限の与えられたミドルが、環境変化に適応するために日々努力を重ね、限られたリソースでビジネスチャンスをものにしたとする。そのプロセスが事後的に何らかのパターンとして創発される、というものだ。コーネル大学RMPジャパンの1月の講義内容も、この「創発」にウェートを置いたものであった。
▼現場のミドルが経営管理者となる「創発戦略」は、現場の有益な情報をフル活用することが可能になる。現場のミドル・マネジメントこそが、経営戦略を磨きこんでいるので、現場の人材こそが重要であり、組織設計と人材育成が重要であることも示唆している。ただし、実務現場から言うと、どうしても自分が作り上げた事業はなかなか切ることが出来ない。その結果、気が付くと多角化が進みすぎて儲からない事業も抱えてしまう可能性がある。
▼ポジショニング(学派):戦略とは特定の「立地」(ポジション)をとること。ここでの「立地」とは、出店立地のような物理的なスペースや人々の心の中の心理的なスペース、競争企業との棲み分けが可能な業界構造上の特定のスペース等々を意味する。そしてこの学派の戦略は、利益の出やすい事業分野や市場セグメント、場所などを見つけて進出し一定の地位を築いていくことになる。良い「立地」を見出す知識とスキルが必要になる。
▼ポジショニング(学派)は、外部環境に着目して戦略や事業ポートフォリオを取捨選択する思考法になる。大切なことは、市場で特定のポジションを確立して高い利潤を獲得することである。市場内の自社のポジションを認識することが重要になる。よく使われているフレームワークが、5F(ファイブフォース)になるのだが、これには、外部環境を押さえる要素でしかないので、競合企業の動向、自社内のリソースを加味して使いたい。
2025/01/27