昨年の11月末のことだったが、日本マクドナルドが、オレンジジュース「ミニッツメイドオレンジ」をSサイズのみにした。バーガーにMサイズのドリンクが付く「バリューセット」や「ひるまック」では、オレンジジュースを選んだ場合は価格は据え置いたままでSサイズでの販売であった。オレンジの原産国ブラジルにおける天候不順などの影響でオレンジの不作や価格高騰で安定供給が難しくなったための措置である。
▼モスバーガーも5月にオレンジジュースSサイズを40円値上げ、7月にはオレンジ果汁100%ジュースから、ミカン果汁などを混合したジュースに仕様を変更していた。トランプ大統領就任で何かと話題の多い米国だが、米農務省(USDA)が24年12月に発表した24〜25年のフロリダ州のオレンジ収穫量予想は1200万箱(前年比▲33%)だった。これは、1930年以来で最低の水準となるという。
▼かつて米国産オレンジは、世界生産の20%を占めていたが、24年度は6%まで縮小しているとある。米国南部で被害が深刻な細菌性の植物病「カンキツグリーニング病」(HLB)の影響が大きい。収穫を目の前に同州を直撃したハリケーン「ミルトン」の被害も追い打ちをかけた格好だ。直近ではHLBの病害で打撃を受けたオレンジ農家が農地を売ったり、病害に強いレモンなど他のかんきつ類に転作したりする例が増えているという。
▼生産が縮小する一方で、米国のオレンジジュース消費は世界最大で、年間の国内消費は48万トンで日本の8.5倍ある。そこで、米国も輸入を増やし23年には全体の8割を占めるようになった。他方、ブラジルなどの産地も病害で不作が続き、国際価格は高騰し、市場価格は高止まりが予想されている。日本でも、価格の上昇に円安が重なり、輸入コストが高騰しているために、昨年は販売休止が相次いだ。オレンジ果汁の9割以上を輸入に頼る日本は、供給不足がこれからも深刻になりそうだ。
2025/01/29
