『(マーケティング)とは、顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである』。これは、日本マーケティング協会のマーケティングの定義であり、昨年1月に34年振りに改訂されたものだ。デジタル技術を用いたマーケティング施策や新しいビジネススキームの台頭、必須となった地球環境の配慮などに伴い改訂された。
▼コーネル大学RMPジャパン2月の講義に合わせて、マーケティングの概要を述べたい。マーケティングとは顧客のニーズにこたえて、自社の利益を上げる一連の作業のことだが、ドラッカーは、「企業の目的は顧客の創造であり、イノベーションとマーケティングが重要だ」と述べ、マーケティングの狙いは販売を不要にすることだと発言をしている。世の中の動きを察知し、それに合う製品やサービスを提供することで、販売はマーケティングの一部でしかないという事になる。
▼マーケティングの歴史は浅く、20世紀に入ってから米国で生まれたものだ。背景は、産業革命に加え鉄道と通信網の発達により、大量生産した製品(商品)を米国全土に流通できるようになったことで、市場拡大が契機となって生まれたものになる。歴史は未だ100年余りに過ぎず、1902年にミシガン大学などで使われ始めた言葉だとか、オハイオ州立大学で『マーケティング』の講座が1905年にスタートしたとの説がある程度のものだ。
▼マーケティング論の元祖は、米ハーバード大学で経済学を学んだA.W.ショーと言われている。1911年から1916年の間に発表した論文の中で、マーケティングを合理化するため、市場を地域別・階層別に分析、目の前の需要を喚起するだけでなく、長期的な目的から販売政策を策定する必要がある。そのために実験的研究を行うべきだと提唱している。また、他社が製品化している商品を開発する場合、軽微な改善をすることで有利な価格で需要を掘り起こすことができる可能性も論じている。
2025/02/07
