「コメ農家」の倒産・廃業、過去最多・・・

全国的なコメ価格高騰が続くなか、農林水産省は政府保有の備蓄米を、流通に支障が出たときにも放出できるよう運用ルールを見直し実施する。価格が高止まり状況を緩和するための施策のようだ。昨年のコメ不足による品切れで高騰したので、その時に放出するのであれば理由も分かるが、価格調整が目的になると全体ではどうなのかと思わざるを得ない。昨年は、収益力の悪化や高齢化を理由に米作農家の倒産や廃業が相次いでいた。

▼帝国データバンクは、1月12日、レポート「『米作農家』の倒産・休廃業解散動向(2024年)」を公表した。2024年の1年間に発生した米作農業(コメ農家)の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は6件、休廃業・解散(廃業)が36件発生し、計42件が生産現場から消滅したとある。23年通年の件数(35件)から2割の増加率を記録しており、年間の倒産は最多件数を更新してしまっている。

▼コメ価格は、膨らんできた生産資材などのコスト上昇分を価格転嫁する動きが進んでいる。農水省の調査でも、24年産玄米60kgあたりの相対取引価格平均(出回り~11月まで)は2万3000円を超え、前年産比8千円(50%超)増加となるなど価格の引き上げに追い風が吹いている。ただ、23年産まで1万円台での推移が続いたなかで、多くを輸入に頼る肥料や農業薬剤などのコスト高で、手元に利益が残りにくい経営環境が続いてきたのだ。

▼米作農業の業績だが、23年度では最終損益で「赤字」が25.8%を占め、「減益」(29.4%)を合わせた「業績悪化」は55.2%と全体の半数を超えている。結果、翌年の苗床やトラクターなどの機材調達費用が捻出できない事情に加え、就農者の高齢化や離農が進むなかでの後継者不足問題も廃業要因となっている。廃業時の代表者の年齢も24年は、「70代」以上が6割超、「60代」を含めると約8割を占めている。急激なコメ価格の高騰は消費者の「コメ離れ」が懸念されるが、コメ農家の経営と、物価高に悩む消費者の双方を意識した米作農業の構築が急がれている。

2025/02/11