DSの市場シェアが各国で伸長・・・

1月の米国小売業の動向は、ロサンゼルス近郊で発生した山火事や、厳しい寒波などの影響からか消費の落ち込みがあった。ただ、この落ち込みは短期的な可能性が高いと言われている。なかでも、インフレ下で消費者の価格感度がより高まっている中にあって、米国でも大きなシェアを誇る「Aldi」や「Lidl」などのディスカウンター(DS)の伸びが凄い。DSの市場シェアが各国で伸長しているが、特に欧州に本拠を置く企業は元気だ。

▼AldiやLidlはもちろん、欧州地盤のディスカウンター各社が目を見張る成長を示している。マッキンゼー&カンパニーのアンケート調査でも、欧州11カ国の消費者の48%が「買物で節約する方法を探している」と回答しているとのレポートを出している。DSの市場シェアは、23年度が平均0.8ポイント上昇している。特にドイツ、ベルギー、ポーランド、スウェーデンではその上昇幅が1.0pt以上になっているとある。

▼数日前にも記したアルディだが、HDSのアルディはドイツを本拠としており、傘下に2社の「Aldi Süd」(アルディ・ズード)と「Aldi Nord」(アルディ・ノルト)に分社化されている。ドイツの南西部と英国、米国、オーストラリアなどに店舗展開しているのがAldi Südであり、11カ国で約7400店舗ある。Aldi Nordは、ドイツ北東部やフランス、スペインなど、欧州8カ国で約5300店舗を展開する。

▼近年、英国と米国で事業規模を著しく拡大させている。英国では、23年度の売上高が対前年度比15.5%増の179億ポンド(3兆4010億円)と過去最高の伸び率を示した。24年12月時点では食品小売市場におけるシェア10.0%を占める程に成長し、25年には6億5000万ポンド(1235億円)を投資し、約30店を出店する計画という。アルディの強みは圧倒的な安さにあり、4人世帯でNBからAldiのPBにブランドスイッチすると最大36%安くなり、年間約4000ドル(62万円)を節約できることが示されていた。

2025/02/19