米国小売業の動向に注目が集まる。Walmartは、24年通年は首位を維持したが、Amazonの売上が伸長しているからだ。直近の四半期ベースでは、Amazon.Comの売上がWalmartを上回ったとある。小売業だけでなく世界で最も売上高が大きい企業がAmazonに代わったことになる。今年度は、トップ交代の可能性が出て来たのだ。産業の主役がデジタル技術となり、企業の成長に欠かせなくなった現状の流れを象徴する出来事になる。
▼Walmartは長らく、売上高世界首位の座を保ってきた。米国「フォーチュン誌」によると、02年にエクソンを抜いて初めて首位に立った。資源価格の変動で首位の座を譲った時期もあったが、暦年ベースでは14年以降は首位を維持して来た。直近の四半期、Walmart(24年11月~25年1月期決算)は売上高が前年比4%増の1805億5400万ドルだった。Amazon(24年10~12月期決算)は10%増の1877億9200万ドルという。
▼売上高ランキングの変化は、時代の産業の主役の移り変わりを示す。直近10年をみると資源から消費サービス、そしてデジタルに変化してきたといえる。「デジタルシフト」を意識して事業戦略の展開が多いが、小売りも同様でAmazonはその先駆者だ。コロナ禍での「巣ごもり消費」でECの売上高が増え、その後も旺盛なオンライン消費を背景に売り上げ規模を拡大している。しかも、EC販売の6割を「マーケットプレイス」出品者が占める。
▼デジタル化での問題は、収益力の課題が残っている。Amazonは営業利益の58%をAmazon Web Serviceで稼いでおり、クラウド事業の成長が全社の規模拡大を支えている。EC部門が黒字化したのは最近だ。それも、広告の拡大によるもので小売業としては現在も赤字続きとの見方がある。WalmartもECの黒字化を急ぐが、足元では実現していない。黒字化は26年以降とみられる。デジタルの世界での収益性をどう実現するかも注目に値する。
2025/02/27
