セブン&アイ・ホールディングスの動きが急を告げている。創業者のご子息である伊藤順朗氏および伊藤興業(株)による、セブン&アイ買収に関する正式提案に必要な資金調達の目途が立たなくなったとの報道がなされた。何日か前に、創業家よりセブン&アイ買収のための出資参画要請を受けていた伊藤忠商事が撤退を公表、戦略パートナーとしての参画を見送っていた。その結果、買収を断念せざるを得ない大きな要因となったのだろう。
▼これまで、セブン&アイには大きく3つの方法が考えられた。① 自力で経営を続ける、② 創業家の伊藤興業主導による株式非公開化する。そして③ アルマンタション・クシュタールに買収されるという方法だ。出来る事ならば創業家が中心となって株式を非公開化して欲しいと願っていた。イトーヨーカ堂で働いたという感情的な面からもそう思っていた。結局、その方法は白紙となったわけだ。ただ、どうしてもアルマンタション・クシュタールに買収される事は選んで欲しくないと思う。
▼3日の日経新聞夕刊に、「セブン、井阪社長退任へ」、後任に初の外国人とあった。井阪隆一社長が退任する方向で最終調整に入った。後任は、スティーブン・ヘイズ・デイカス氏のとある。外資に買収されるではなく、自力で経営を続ける方法を選んだと思うが、現体制ではそれが難しいとの結論になったと推測できる。スティーブン・ヘイズ・デイカス氏は、22年5月にセブン&アイの社外取締役、昨年からセブンの筆頭独立社外取締役にある。外国人がトップに就任するのはグループ会社含め初めてとなる。
▼この人事、決めたのは誰かが気になる。井阪社長は、2016年に起きた政変時に誕生した社長だからだ。この時、鈴木敏文会長は、井阪セブン-イレブン社長退任を内示していたが、取締役会などの猛反対にあい、鈴木会長が辞任することになった。セブン-イレブン社長退任を言い渡されていた井阪氏が、親会社のセブン&アイの社長になったという過去がある。セブン&アイは、世界戦略を担う力量が大事になるが、足元ではセブン-イレブン・ジャパンが圧倒的な優位を保てるか否かが成功の鍵になりそうだ。
2025/03/05
