閏年の反動、春節休暇の期ずれ、悪天候要因でも・・・

小売業界の2月実績が出始めている。数字だけ見ると減速感があるが、前年は閏年であったことの反動、特に百貨店などに顕著だが中国の春節休暇の期ずれ(今年は1月28日~2月4日、前年は2月10日~17日)、天候のマイナス要因などの結果である。天候は、北日本を除いて気温の低い日が多く、特に月後半の低気温が響いたようだ。連日、報道されたが首都圏以外では雪の影響を受けており、首都圏以外でマイナス影響が大きかった。

▼大手百貨店4社の業績発表を見てみたい。月間の動きは、月後半の減速感が強かったようだ。衣料品、服飾雑貨などボリュームゾーン向けの春物は苦戦。ラグジュアリーブランドなどの高額品、化粧品は相変わらず好調のようだ。バレンタイン商戦は各社とも盛況であり、近年の業績を押し上げているインバウンド需要は伸び率が鈍化したものの、春節休暇の影響を除くと引き続き好調に推移しているようだ。為替の円高への影響はなかったようだ。

▼大手百貨店だが、◎J.フロント リテイリング大丸松坂屋4.6%(全店店頭4.5%・百貨店事業4.1%)、◎三越伊勢丹HD 2.3%(国内百貨店事業0.4%、伊勢丹新宿本店▲0.4%、三越日本橋本店6.7%、三越銀座店8.8%)、◎高島屋単体1.7%、(国内百貨店▲0.5%、既存店1.3%)、◎松屋全店▲1.0%、◎H2Oリテイリング阪急阪神 全店0.6%(阪急本店3.8%、阪神梅田本店▲7.6%)とある。食品スーパーでは、◎ライフコーポレーション:既存店1.1%(客数▲0.6%・客単価1.8%)、全店3.0%、◎ベルク:既存店3.5%(客数0.9%・客単価2.6%)、全店7.6% ◎ヤオコー:既存店2.4%(客数0.7%・客単価1.6%)、全店6.9% ◎アクシアル:既存店4.2%(客数▲1.3%・客単価5.5%)などだ。

▼2月の曜日配列は土日祝日数が同じであるが、前年が閏年のため既存店影響が単純に見て▲3%pt程度あったと考えられる。これを加味して食品スーパー何社かの実績を見ると2月も概ね順調に推移したようだ。企業によっては買上点数に動きもあるようだが極めて限定的だ。今月も、土日祝日数が昨年と同じであるので既存店への影響は殆どない。また、昨年の3月は天候に恵まれなかったことも考慮すると更に数値改善すると思われる。

2025/03/12