ゴールドラット著『ザ・ゴール』のボトルネックを考える・・・

「人手不足」との戦いが始まった。これまでは、人口減少とは市場の縮小であり、我が社の売上対策をばかりを考えて来たのだが、違った意味で経済活動に大きな支障をもたらしかねない事態になって来た。それも単純に人が採用できないというだけでなく、特定のスキルをもった人材が減ってしまう危険性を感じざるを得なくなったのだ。日々の業務遂行の過程で、これまでは出来ていたことがそのレベルを実現出来なくなったケースをよく見る。

▼エリヤフ・ゴールドラットが著した『ザ・ゴール』(2001年5月)のテーマではないが、その特定のスキルを持った人の減少が、チェーンストアでもボトルネックになって大きな影響を及ぼす危険がある。特に、製造業ではその影響は大きくなってしまいそうだ。小さくてもボトルネックが生じると影響の大きい供給制約を招いてしまう。マクロでの労働需給だけでは見えてこないインパクトをもたらす可能性がある。

▼一時的な現象ではなく、構造的なものと捉えて対処する必要がありそうだ。人手不足から発生した小さなボトルネックが、我が社の存続に大きな影響をもたらし得るからだ。そもそも少子高齢化が進む中で、決して潜在成長率が高い状態にはない。供給サイドの負の事柄は避けなければならない。市場メカニズムが機能しさえすれば、解消するはずとの意見がある。重要な作業をする人が不足するならば、その作業の賃金上昇がおき、従事する人材が増えるので問題は解消されていくと言う。

▼現実は、このようなメカニズムが働きにくいから問題なのだ。賃金は、そこまで需給を反映して変動しない。これまで長期的取引関係の下で、安定的に設定されてきたのが、我が国の慣習なのだが、今後は、様々な面で需給を反映し、価格が動く世界を実現する必要がある。ただ、それでもスキルと経験は必要で、一朝一夕に身につくものではない。経験を必要とする能力をもった人材は簡単には育成されない。これを蔑ろにすると本当に弱体化してします。もう一度、我が社のボトルネック対策をする必要がある。

2025/03/13