米国のトランプ大統領が2期目の政権をスタートして約2カ月経った。トランプ氏は多くの大統領令に署名し、宣言していた政策を次々と推し進め、報道の無い日はない。イーロン・マスク氏率いるDOGE(政府効率化省)の大胆な政府支出削減策は物議を醸しているようだ。実際に国民はどう感じているのだろうか。2月末に実施されたCBS/YouGovの世論調査によると、「支持する」が51%、「不支持」が49%と二分した格好のようだ。
▼大統領を支持するか否かに関わらず、「大きな変革を起こしている」と考えている人は81%に上っている。ただ、意見は分かれており、35%は変革が「良い方向に向かっている」と感じ、40%は「悪い方向に向かっている」、そして25%は「まだ何とも言えない」と答えている。物議を醸しているDOGEによる連邦職員の大量削減についても、51%が賛成、49%が反対とこちらもほぼ二分している。回答者が共和党か民主党かでも大きく分かれた。
▼1980年代前半、レーガン政権の時代には、減税政策によって経済を刺激したのだが、その結果、過剰なドル高を生み出した。巨額の減税によって財政赤字が拡大したこと、そして過剰なドル高によって貿易赤字が拡大したのだ。当時、双子の赤字と呼ばれた問題を引き起こしたのだ。トランプ大統領の「弱い円は好ましくない」との発言だが、大幅減税によって経済を刺激することと、為替レートを円高・ユーロ高で貿易競争を有利に導くことは矛盾するもののはずだ。
▼レーガン政権の時代、大規模な双子の赤字を抱えたまま、健全な経済運営を続けることは難しかった。結局、プラザ合意によって為替レートを大きく修正することになり、250円前後であった円ドルレートが3年間で125円まで円高(ドル安)に動いた。トランプ政権が行おうとしている政策は、双子の赤字を生み出さないと言えるのだろうか。どこかの時点で、双子の赤字への対応という形で大きな見直しが求められる時期が来ると想定すべきだ。その見直しの中で、為替レートの変化が重要な意味を持つのではないだろうか。
2025/03/22
