食品スーパーの”利益頭”の精肉部門が・・・

ここ数年、食品スーパーの精肉部門だが円安による輸入肉の相場高、異常気象などによって安定した利益確保が難しくなっている。消費者の間では、節約志向が強まる一方で、生活シーンによっては品質など商品価値を重視するなど、二極化が起きて、状況は複雑化している。昨年の年明け、141円台で始まったドル円相場は6月下旬から7月上旬にかけて急騰。35年ぶりの1ドル160円台に到達した。余談だが、この時に12期生は渡米したのだ。

▼食品スーパーの優等生部門であった精肉部門の苦戦が続いている原因がここにある。今年に入ってからもドル円相場は150円台で推移するなど、円安進行で国内企業の輸入肉市場での“買い負け”が発生して精肉部門は困難に直面している。輸入肉が高騰したことで、食品スーパーは国産肉で価値訴求し、輸入肉で価格を訴求するという荒利ミックスに基づいた施策が、高騰する相場と節約志向で板挟みになって維持が難しくなっている。

▼農畜産業振興機構の「国内統計資料」では、24年度(4月~12月)は、1㎏当たりの平均価格は、牛肉(生鮮・冷蔵品)で1254円、冷凍品727円、豚肉は生鮮・冷凍合わせ同660円と5年前と比較して約1.5倍の値上がり幅を見せた。それでも集客力の維持や競合店対策として、値入率を下げて価格対応を行わざるを得ない。食品スーパーの「利益頭」であった精肉部門が、環境の大きな変化によって収益確保が難しくなってきている。

▼市況の変化に加え、昨年の夏の暑さも精肉部門に追い打ちをかけた。日本気象協会によると、夏の全国の平均気温は統計開始以降、史上最高を記録している。例年、気温の上がる夏季は家庭での加熱調理が忌避され、精肉の売上は伸び悩む傾向にある。また、酷暑は生産量にも打撃を与える。豚熱の流行、暑さでの斃死増により出荷頭数は減少し枝肉市況も高騰した。こうした逆風が吹くなか、精肉部門はどのような施策で利益を確保したら良いのだろうか。

2025/03/23