高齢化対策の根本的な解決がないと・・・

企業経営者の口から「人手が足りない」という言葉が大きくなって来ている。コロナ禍が収束する辺りから急に厳しくなった気もする。日本の出生数は1973年の209万人をピークに減少し、84年には150万人を割り込、今年20歳になる2005年生まれは106万人とピーク時のほぼ半数になっている。そして23年の出生数は72万7277人まで低下している。しかも、出生率(人口千対)は6.0で、前年の6.3より低下している。

▼合計特殊出生率も1.20(前年1.26)に低下している。人手不足の最大の要因は、出生数の減少であることに間違いはない。生産年齢人口を見ても、1995年の8716万人をピークに減少傾向をたどり、足元の2025年3月時点では1300万人以上も少ない7354万人まで減っているのだ。ただし、この生産年齢人口の減少だけでは直面している人手不足を説明しきれない。就業者数は過去最多圏で推移しており、25年2月は6768万人と31カ月連続で増加しているからだ。

▼人口が減る中、働く人が増えている理由は、15〜64歳で比較して1995年と2024年の就業者の内訳を見てみると男性が375万人減る一方で、女性は268万人も増えている。女性の社会進出が進み、出産後も仕事を続ける人が増えてきたことが背景にある。加えて65歳以上の就業者は24年に924万人と2.3倍に増えているのだ。64歳までの男性就業者の目減り分を女性や高齢者が補う形で現場が回ってきたのだ。特にコロナ禍が始まる頃まではこの構図が続いたのだ。

▼コロナ禍後に、この構図が続かなくなったのは、「働き方改革の影響」が顕在化して来たことと「団塊の世代」が後期高齢者に到達したことによる。この後も2020年代の生産年齢人口は年平均で約43万人の減少だが、30年代に入ると約86万人の減少と倍増する。大変なペースになるのだが、労働力が減少したとしても、連動して需要も減るのなら人手不足はそんなに深刻にはならないはずだ。ただ、高齢化が進む日本では、医療や介護など労働集約型のサービスの需要は増え続いていく。高齢化対策の根本的な解決に取り組むと同時に、医療や介護の分野でのテクノロジー活用により省人化を進めることが出来るか否かが重要な課題になりそうだ。

2025/04/17